今年1月に亡くなった鮎川誠さんのバンド「シーナ&ロケッツ」や故桑名正博さんをはじめ、うじきつよしさん、佐野史郎さん、六角精児さん、外道といった錚々たるミュージシャンを撮影してきたカメラマンのDokachin(ドカチン)さんが、4月29日から5月末まで、bucato cafe(神戸市中央区栄町通3)で個展を開催する。神戸を代表するライブハウス「チキンジョージ」のステージで躍動するミュージシャンたちを、味のあるモノクロで活写。昨年、多発性肝臓癌のステージ4と診断されたというドカチンさんだが「気力も体力も衰えていない」といい、「ミュージシャンたちが放つ一瞬の輝きをぜひ間近で見てほしい」と力を込める。
ドカチンさんこと田村嘉久さん(68)は、神戸元町商店街の「田村家具」を営むかたわら、写真家やミュージシャンとしても活動。特に、拠点としているチキンジョージでのライブ写真で知られており、有名無名問わず、幅広いアーティストたちと親交を結ぶ。桑名正博さんの遺影として使われた写真も、ドカチンさんが撮影したものだったという。
「Dokachin × CHICKEN GEORGE Photo exhibition」と題された今回の個展では、ここ10年ほどの間に撮りためた膨大な写真の中から、約80点を厳選。コロナ禍前までは年間150本ほどのライブに顔を出し、1年間で計15万枚の写真を撮っていたというから、尋常な点数ではない。ドカチンさんは「誰もが知っているミュージシャンを中心に展示するので、たくさんの人に喜んでもらえると思う。どんな人が展示されるかは、お楽しみに」と笑う。比較的最近の写真に絞った理由を尋ねると、「古いのは選ぶのがしんどいやん」と冗談めかしてまた笑うドカチンさんなのであった。
昨年4月、自身のFacebookで「多発性肝臓癌のステージ4と診断された」と報告し、「まだ今年になってLIVE一回しかやってないのにいきなりステージ4と言われてもな〜」「若い頃から明日死んでも悔いのない様今日を目一杯楽しむと言う考え方は今後も変わりません」などと書いていたドカチンさん。個展では「ずっとは無理だけど、できるだけ在店したい」といい、期間中は被写体となったアーティストの来店やミニライブなどの企画も温めているそうだ。
入場は無料だが、カフェなのでメニューの注文を。
【会場】bucato cafe:神戸市中央区栄町通3-6-17(2階)
【期間】4月29日〜5月31日
【時間】12時〜深夜2時(月曜定休)