受験を終えて、4月から新しい学校に通う子どもは多いでしょう。私立の場合は授業料も高く、経済的負担が大きいですよね。それでも、子どもが希望する学校ならば頑張ろうと思えるものです。一通りの出費が終わると、思わずホッとしてしまうでしょう。
しかし、私立校の中には寄付金制度を導入しているところが少なくありません。「やっと入学金を払い終えた」と油断したタイミングで「寄付金のお願い」という連絡が来る場合もあるのです。
任意だと言われても…どうしよう
U子さん(東京都在住、40代、執筆業)の息子は受験をし、4月から私立中学に通うことになりました。私立中学は入学金や施設費、授業料などが高額で、出費の連続です。すべての準備が終わり、U子さんがホッとしたのもつかの間。中学校から「寄付金のお願い」という手紙が配られました。
「寄付金?なにこれ!」と、U子さんは思わず声を出して驚きます。恐る恐る手紙を読むと、任意であることと、一口20万円という金額が書かれていました。U子さんは大混乱。自分も夫も公立出身なので、寄付金についてよく知りません。「任意なら払わなくていいのかな…。でも払わないのは非常識なのかな…」と、U子さんは悩んでしまいました。
学校によっては…ほとんどの人が払っている?
U子さんは子どもが中学受験のために通っていた塾のママ友K美さんに連絡することに。通っている中学は違いますが、K美さんの子どもも私立で、しかも上の子どもはすでに私立中学卒業済みです。事情を説明すると、K美さんは「学校によってはほとんどの人が寄付金を払ってるから、1年目は払っておいたほうがいいんじゃない」とアドバイスしてくれました。
「寄付金」という名目上、あくまでも任意です。しかし、私立中学によって寄付金を納入する保護者の割合はかなり違います。歴史が深く保護者の平均年収が高い私立中学では、寄付金を支払うのが当たり前の場合も。そのため、寄付金を払っていないことが周囲にバレると、裏で噂されるリスクもあるようです。
私立中高校への寄付金は税金控除の対象になる場合も
K美さんの話を聞いたU子さんは「金持ち世帯が多いんだね…」と思わずため息をつきました。U子さんも日本の平均世帯年収より高いですが、私立中学の必要経費を支払うだけでもかなりの負担です。
すると、K美さんは「寄付金は税金控除対象になる場合もあるよ」と教えてくれました。一定の条件を満たしていれば、学校への寄付金が控除対象になるとのこと。K美さんに相談して少し冷静になったU子さんは、焦らずに子どもが通う私立中学の寄付金について、きちんと調べることにしました。
参考:文部科学省/学校法人(私立学校)への寄付を考えているみなさまへ
どのような対応がスタンダードなのか
寄付金に限った話ではありませんが、私立中学や私立高校は校風や教育理念などの特色が強く、その学校にしかない伝統があります。寄付金についても、どのような対応がスタンダードなのかは、学校によって変わるものです。
「寄付金はあくまでも任意」と考えるなら、選択肢は「支払う」「支払わない」の2択で、自由に選んで良いはずです。しかし「任意」と言い切れない伝統があるなら「支払う」が無難な選択かもしれません。結局、私立学校から寄付金のお願いをされたら、どのような行動をとるのが正解なのでしょうか。
私立学校の寄付金について、みなさんはどのように対応したのでしょうか。また、寄付金制度についてのご意見を伺いました。
▽私立中学入学・保護者
友人に相談したら、「寄付金が払えないような人は私立に行くべきではない!」と一蹴された。
▽私立中学・保護者
成績が悪くて退学させられそうになったときに、寄付金を払っていれば、考慮してくれるのではないかという都市伝説的なものにすがって、寄付をしました。
▽私立高校・保護者
私立高校無償化の対象世帯なので寄付はしません。
▽私立高校・保護者
任意とのことなのでそのままの意味で捉えて払わないでおこうかと思います。