4月といえば入学式の季節。公立の小中学校とは違い、幼稚園は自分で調べて選ばなければならないため、情報収集に苦労するでしょう。やっと決めた幼稚園の入学式は、期待と不安でドキドキかもしれませんね。
しかし、入園してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔する人もいるようです。夫の転勤で引っ越しすることになり、新しい土地で子どもの幼稚園を急いで決めたH子さんも、入園後に後悔する羽目になりました。
夫の転勤で急いで入園した幼稚園は…
H子さん(30代、専業主婦)は夫(30代、営業)に転勤の辞令がおり、3月に中部地方に引っ越しすることになりました。娘(3歳)が4月に入園を控えていたため、幼稚園探しをしなければなりません。
引っ越し予定の市には親戚も友人知人もおらず、幼稚園の情報はゼロ。H子さんは転勤先の住居が決まったタイミングで、通える範囲の幼稚園を調べて片っ端から電話をかけました。まずは、定員に空きがあり入園できるかを確認しようと思ったのです。
幸い、2つの幼稚園から入園可能という返事がありました。時間もなかったため、H子さんは自宅から近くネットの口コミも良かった幼稚園に即決。引っ越し後に慌ただしく入園手続きを済ませました。
厳しく階級で分けられたクラスに愕然
入園手続きのため初めて幼稚園を訪れたときは、すでに春休み中。園児たちの様子を見られなかったので若干の不安はありましたが「入園すればなんとかなるだろう」とH子さんは前向きに考えました。しかし、入園後にH子さんは衝撃の事実を知ることになります。幼稚園は地域でも有名な超セレブ向けだったのです。
超セレブの特徴はクラス名にも表れていました。年少は3クラス編成で、内2クラスは「紅バラ組」と「白バラ組」、残る1クラスは「タンポポ組」です。「なぜ1クラスだけタンポポなんだろう?」というH子さんの疑問は後日解決します。同じタンポポ組の保護者から、クラス分けについて話を聞いたのです。
「バラ」が付く組は親が医者、弁護士、その他企業経営者など、いわゆる高所得者が入るクラス。「タンポポ」など雑草の名前が付く組はそれ以外。たとえば、H子さんのような転勤族サラリーマンなどが対象です。徹底的に階級分けされたクラス編成に、H子さんは愕然としてしまいました。
役員は幼稚園ご指名の超セレブ
幼稚園には父母会がありますが、役員は幼稚園の指名制です。指名される役員は超セレブのみ。しかも「役員」とは名ばかりで、実質は幼稚園から接待されるグループのようなものなのだとか。父母会限定でさまざまなイベントが行われますが、タンポポ組のH子さんは参加できず、イベント内容の情報すら回ってきません。
さらに、入園式も階級分けされていたことが発覚。H子さんが参加した入学式とは別に、父母会と幼稚園から招待状が送られた人のみで行われる豪華な入学式が開催されていたのです。噂ではシャネルのスーツを着用して参加できる人だけに、幼稚園は招待状を送っているとのこと。
耐えられず1年で転園することに…
その他にも、超セレブ幼稚園だと痛感する様子をH子さんは何度も目撃しました。毎日の登園降園時は、お迎えのために立派な高級車が横付けされて並んでいます。バラ組の子どもたちが身に着けているものは、誰もが知る高級ブランド品ばかり。幼稚園が用意した有料の課外授業は、高すぎて全く手が出ません。
結局、H子さんは場違いを感じて1年で転園します。保育料以外に度々経費として幼稚園から請求される金額も負担でした。
年少の夏休みに入るころには転園しようと決意していたH子さん。「今度は失敗しないぞ!」と、じっくり情報収集し、2年保育を受け入れている幼稚園から選びました。ネットの口コミだけに頼らず、実際に足を運んで幼稚園の様子を目で確認し、直接先生に不明点を確認することも忘れません。
新しい幼稚園では、H子さんも娘さんものびのびとした気持ちで楽しんでいます。「忙しくても時間を作って足を運ぶのが大切!」と、H子さんは力説していました。
幼稚園を選ぶ前に確認しておけばよかった!
実際に足を運ぶなど、幼稚園の下調べはやはり重要なようです。
みなさんにもお子さんが通っている・通っていた幼稚園で、「入園前に聞いておくべきだった」「確認しておけばよかった」と感じたことについて聞いてみました。
▽30代・東京都江東区
わたしも息子の幼稚園を選ぶときに口コミサイトをよく見ました。でも実際幼稚園の近くの公園で知り合った方の口コミとはかけ離れたものでした。サイトよりもその幼稚園の近くの公園の方が確実!と思います。
▽30代・横浜市
幼稚園選びって、園児や施設や先生方を見ることも大切だけど、実は送迎に来ている保護者たちの様子を見るのが一番かもしれない!
▽40代・静岡県
わが子が通った幼稚園は、理事長先生・園長先生至上主義でした。まるで某北方の国のような感じ。保護者は必ず園長に従わなければならなかった。それでも子どもは3年間楽しく通園していたので、結果的には良かったと思っています。
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※記事中では一部地名などを変更しています。