若手社員が「会社を辞めたい」と思う理由にはどのようなものがあるのでしょうか。全国の従業員数10人以上の企業に勤務する20～50代の男女300人（20代の新卒入社3年未満の若手社員150人・新卒・若手社員を教育する立場にある上司150人）に調査をしたところ、「昇給の見込みがないから」が最も多かったそうです。
株式会社識学（東京都品川区）が、「新卒入社3年未満の若手社員の働き方に関する調査」と題して2023年3月にインターネットで実施した調査です。
まず、20代の新卒入社3年未満の若手社員に対して、「入社前に不安だったこと」を聞いたところ、「仕事内容が自分に合うか」「仕事についていけるか」（いずれも40.7％）、「職場の人間関係がうまくいくか」（38.0%）が上位となりました。
また、「入社後も不安が払拭されていないこと」についても、入社前と同様に「仕事内容が自分に合うか」（21.3%）、「仕事についていけるか」（18.0%）が上位に挙げられています。なお、「仕事についていけるか」については入社前と入社後で22.7%の差がみられ、入社前の不安が払拭されたことがうかがえます。
続いて、「現在お勤めの会社を辞めたい、もしくは転職したいと思っていますか」と聞いたところ、「今すぐにではないが辞める・転職することを検討している」（28.7%）、「転職したいと考えている（すでに転職活動をはじめている）」（18.0%）、「会社を辞めたいと思っている（いつ退職するか明確に決めている）」（12.0%）を合わせて58.7%の人が「今の会社を辞めたい・転職したい」と考えていることが分かりました。
また、「今の会社を辞めたい・転職したいと思っている理由」としては、「昇給の見込みがないから」（40.9%）、「休みがとりづらいから」（29.5%）、「成長や昇進の見込みがないから」（27.3%）といった回答が上位に挙げられています。
次に、「仕事とプライベート、どちらを重視していますか」と聞いたところ、新卒・若手社員が、「プライベート重視派」（75.3%）だったのに対して、上司では「仕事重視派」が44.7%、「プライベート重視派」が55.4%と、新卒・若手社員と比較して大きな差があることが分かりました。
また、上司を対象に「新卒・若手社員に対して感じること・思うこと」を教えてもらったところ、「仕事を重視していると感じる」が36.0%、「プライベートを重視していると感じる」が64.0%という結果になっています。
新卒・若手社員に対して、「会社での働き方、上司の接し方」について聞いたところ、「やりたい仕事であれば休日出勤などしてもよい」（20.7%）、「やりたい仕事であれば残業してもよい」（19.3%）という意見が上位に挙がりました。
しかし、上司側に対して、「新卒・若手社員が感じているであろうこと」を聞いたところ、「定時で帰してほしい」（33.3%）、「休日出勤はしたくない」（28.7%）で上位に挙がり、新卒・若手社員の回答とは逆の結果となっています。
「出社での勤務と、リモートでの勤務とではどちらがよいですか」と聞いたところ、新卒・若手社員は「出社」が52.0%、「リモートワーク」が48.0%となった一方で、上司は「出社」が58.7%、「リモートワーク」が41.3%という結果になりました。
最後に、上司に対して、「新卒・若手社員に対して、“ハラスメント”を気にして、業務依頼、指摘などしにくいと感じることがありますか」と聞いたところ、52.0%の人が「そう思うことがある」と回答しています。
上司側からは、「（オンラインミーティングで）顔出しを希望したらハラスメントになると思って、部下のプライバシーを守るためにミュートでの会議の参加を認めた」（24歳女性）、「暇を持て余してそうな後輩に雑務を頼みたいが、忙しいと言われ、無理して頼むとハラスメントになると思うと何も言えない」（28歳女性）といった声が寄せられたそうです。
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調査を実施した同社は「調査結果から、“やりたい仕事であれば”という条件が付くことで、休日出勤や残業についても受け入れる新卒・若手社員が一定数いることがわかりました。自分にとってプラスになる（昇給／昇進につながる）仕事と本人が認識できれば、“やりたい仕事”として自ら率先して業務に取り組むきっかけになるかもしれません」と述べています。
