ホッキョクグマの国内飼育数は現在33頭 未来の繁殖を見据え…「やんちゃ盛り2歳児」と「彼女募集中の9歳」が新天地でデビュー!→人気者に

茶良野 くま子 茶良野 くま子

動物園で生まれ育ったホッキョクグマの若いオス2頭がこの春、それぞれ新たな地で“デビュー”しました。ホッキョクグマの国内飼育数は年々減少し、現在33頭。いずれ繁殖の舞台に立つことを視野に、日本動物園水族館協会の管理計画に基づく移動です。

秋田県の男鹿水族館GAOで生まれた2歳の「フブキ」は、名古屋市の東山動植物園へ。和歌山県のアドベンチャーワールド(アドベン)からは、9歳の「ライト」が鹿児島市の平川動物公園へ移動。東山、平川の両園は、飼育個体が2020年に亡くなって以来の飼育再開。アドベンでの飼育はなくなりました。

フブキは3月6日、東山動植物園に到着。室内と屋外サブ展示場で慣らし訓練を重ね、同月28日からメインの大運動場に登場。観覧側からは見上げるような造りで、階段状の部分が多いのが特徴。同園は可動式の日除けを新設し、落下事故防止のためモート(堀)にも水を入れています。

段差を活用してウッドチップを敷き詰めた場所も用意され、フブキが転げ回ると「かわいい」と歓声が。プールの細い縁を颯爽と歩けば、バランス感覚の良さに「すごい!」。高いところから辺りを見渡す姿には「王様!?」の声も聞かれました。

「新しい環境に興味津々で、元気いっぱい。やんちゃ盛りですね。どんな行動をするのか見極めながら、万全の態勢で展示するため、時間は不定期です。運動場でのおもちゃ、エサのあげ方などは毎日同じではなく、知恵を絞っていきます」と飼育第一係長の江口雄作さん。

連日、出待ちファンが連なるほどの人気ですが、「長時間同じ場所での観覧、撮影はお控えいただき、特に、小さなお子さんにもよく見えるようご協力を」と来園者に呼び掛けています。

一方、ライトは3月9日に平川動物公園へ到着。同月22日から一般公開が始まりました。移動前は完全室内展示だったライト。「初めて外に出た時、カラスを追いかけたんですよ」と飼育展示課長の桜井普子さんは話します。「ライトにとって、屋外展示はとても大きな環境の変化になるため、注意深く見守っています。アドベンでは愛情たっぷり、大切に育てられてきたので、元気に楽しく暮らせるよう、担当者を中心に頭をひねっているところです」

気になる繁殖相手については、「全国の動向次第で先のことは分かりません。まだ生まれていない個体かもしれませんし、期待しながら大事に飼育していきます」とのことでした。

 

展示場にはライト来園に合わせ、可動式の日除けを新たに設置。以前からあったミストもより強力に出せるようにしました。地元の製菓会社からは夏休み期間の毎日、氷がプレゼントされることになり、“南国”のシロクマを地元を挙げて歓迎しています。

 「展示場に出る練習中」という掲示もあり、室内から顔をのぞかせるライトを来園者が優しく見守りながら、以前いた“おばあちゃんグマ”と比べて「大きいね」「真っ白だね」と話す様子も。担当飼育員の蒲地エリナさんに推しポイントを聞くと、プールに飛び込むときの豪快さ、ガラスビューから見る水中でのカッコ良さ、そして「泳ぎ方が独特…」なのだそう。

その泳ぎ方を含めライト、フブキの動画はこちら。

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