世界41カ国で滞在経験ある男性が説く「ゼロ円渡航術」 奨学金や自治体プログラムを利用、チャンスをつかむ秘訣とは

京都新聞社 京都新聞社

 奨学金や自治体のプログラムなどを利用し、世界32カ国を訪れた京都府向日市の男性が、チャンスをつかむこつや、他者とともに生きる考え方を記した「20代までに知っておきたい 世界とつながるゼロ円渡航術」を出版した。

 起業家シェアハウス「フェスパ京都」(寺戸町)に住む公認心理師の西田博明さん(40)。

 大阪で育ち、高校でノルウェーに、進学した国際基督教大でチリに留学した。姉を亡くしてからカウンセリングを学び、卒業後はベンチャー企業を経て、コーチングや人材育成を請け負う会社を創業。社会人になってからも、コスタリカの国連平和大学院やフィリピンに留学するなど、海外滞在は41カ国延べ4年に及ぶ。うち32カ国では給与をもらうなどし、渡航費用は無料や一部負担だったという。

 多くの知人から「どうやって無料で渡航したの?」と尋ねられ、「小さな一歩を踏み出し損ねて、機会を逃す人がたくさんいる」と、自身の経験を記そうと考えた。

 奨学金などの探し方や採用確率を上げるこつ、語学や生活の不安への対処法に加え、異文化理解や適応についても段階に応じて説明。チャンスをつかむ習慣や、留学体験を将来に生かす考え方を提案している。さまざまな助言は、人生の転換期を伴走支援するコーチングの仕事とも共通していたという。

 西田さんは「留学で新しい世界が見えて成長し、生きやすくなった。多様性の時代、さまざまな文化や背景を持つ人とうまく関係を築くことはますます重要になる。現地で迷ったときにも読み返してほしい」と話している。

 コスモピア刊。1760円。

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