「長岡京推し」のユーチューバーは古希の女性。元京都府長岡京市教委専門員の百瀬ちどりさん（７０）＝奥海印寺＝は、自身が感動した四季の風景や伝統行事をスマートフォンで撮影し、インターネットで発信し続けている。「豊かな文化や自然に触れる喜びを伝えたい」と張り切っている。
百瀬さんは、長岡京研究の第一人者として知られる故中山修一さんの発掘調査や同市史の編さんに携わった経験を持つ。定年退職後に「文化財や地域文化への理解を深めたい」と、あらためて学び直した。京都西山短大の留学生に地域文化を教える機会があり、教材として動画を撮るようになった。
乙訓地域を中心に撮りためた動画や写真などは、２０１９年ごろから自身のホームページ（ＨＰ）で本格的に紹介するようになった。ＨＰのタイトル「楓宸（ふうしん）百景」は、長岡京市ゆかりの文化人の漢詩から、都を意味する「楓宸」を引用した。
えりすぐりの動画はユーチューブで発信。現在も雪景色の八条ケ池（天神２丁目）や走田神社（奥海印寺）の伝統行事などをスマホで撮影し、作品をアップし続けている。
動画や写真だけでなく、長岡天満宮など社寺の歴史、江戸時代の乙訓地域を含む京都近郊を描いた「洛外図屏風（びょうぶ）」といった文化財に関するコラムも自身のＨＰで発表している。
百瀬さんは「日々、風景を撮ったり、調べ物をしたりするのが楽しくて仕方ない。義務的に配信するのではなく、感動を伝えたいと思うからこそ続けられる」と話している。
