「隠し芸 水飲むと見せかけて水こぼす」
猫さんが、美しいゴブレットから、まるで貴族のような面持ちで上品にペロペロお水を飲んでいる……と見せかけて、実はほとんどこぼれている!
なんとも微笑ましい猫さんの動画と共に、思わずププッと笑ってしまうつぶやきをTwitterへ投稿したのは、飼い主のTomoko Doe(@TomokoDoe)さん。その投稿には「水飲むと見せかけて器の外側舐めてるだけ」という動画も続き、上手にお水を飲めない猫さんの健気な様子に思わず「頑張れ!」と応援したくなります。
動画に登場する「はるくん」は15歳、人間の年齢で言うと76歳くらいと高齢な猫さんです。もともと水を飲むことが下手なうえ、持病を抱えているため水分摂取が大切とあって、Tomoko Doeさんはさまざまな工夫をしているそう。
猫さんの水を飲む器がゴブレットなのは「水が飲みやすい高さになるように」との配慮から。家の中には水飲み場が4カ所もあり、どの器も脚がついていて飲みやすい高さになっています。
はるくんとの暮らしについて、Tomoko Doeさんにお伺いしました。
ちょっとした工夫で、高齢猫さんがますます元気に!
——動画に登場するゴブレットに加え、イッタラのマリボウルなど、はるくんの水飲み場の器がどれも素敵で! このグラスは、はるくん専用なんですか?
「全部はるのものです。ほど良く高さがあって、サイズも飲みやすいものを…と選んだらこうなりました(笑)。窓辺に置いたり、はるが気分次第でどこでも水が飲める配置にしています」
——今回の水飲み動画、はるちゃんは遊んでいる訳ではないんですよね?!
「いつもこの飲み方なんですが、決して遊んでいる訳ではなく、まじめに飲んでこんなに下手なのです。有名な話ですが、猫は大量に水分を摂らなくてもなんとか生きられると言われています。しかし水分不足から引き起こされる病気もあるので、飼い主さんたちはみなさん水を飲ませることに腐心されているという話をよく聞きます」
——猫さんの水分補給って、難しいんですね!
「はるは老猫な上に、慢性の膀胱炎があり腎臓の数値も多少心配があるため、さらに水分補給が大切で。家で毎日皮下補液(背中側の首に針を刺して輸液)もしています。なので口からの水分量はそこまで気にしなくてもいいんですけど、水分含有量が多いウェットのごはんをあげたり、薬は水で溶かしてシリンジであげるなどしています」
——他にも、老猫のはるくんが暮らしやすいようにと、いろいろと工夫をされていますよね?!
「フローリングの床は、犬も猫も足が滑ってツラく、特に年齢を重ねてくると関節に負担がかかるという話を聞いていたので、最近思い切って玄関から廊下部分をタイルカーペットに変更したところ、大当たりで。よく走ったりするようになって、その姿が嬉しくて、もう全部カーペットしくか?!という勢いです(笑)。もっと早くにしてやればよかったなーと思います」
——はるくんは幸せですね!今もとっても元気な様子です。
「はるは若い頃、病気がちで飛び跳ねたりおもちゃで遊んだりするのを見たことがなかったんです。でも最近は体調がいいようで、よく遊んでいます。走り回ったりいろんなものに関心を示したり、遊びを催促して鳴いたり。若い時にできなかったことをここ数年で取り戻している感じです」
——はるくんがどんどん元気になっている理由、他にもありますか?
「以前は私の仕事がとても忙しかったこともあり、あまり一緒にいられなくて。コロナ以降、家で一緒にいる時間が増えて、元気になってきた気がします。たまに旅行にも行きますが、信頼できる猫専門のシッターさん(我が家は、キャットシッターねこごころさんです)にお願いしたりと、はるがストレスなく過ごせる環境作りを心がけています。持病(特発性てんかん、原因不明のトイレ忌避や慢性膀胱炎、腎臓の数値がイマイチ)もあって老齢ですが、今は夢のように体調が安定しています」
人生の中に楽しい時間や元気な時間があることが大切、そういう時間を積み重ねていきたいというTomoko Doeさん。はるくんへの優しい思いがいっぱいの生活は、老猫はもちろん、老犬や若い世代のペット達と暮らしているすべての飼い主さんが取り入れられる、暮らし方のヒントがちりばめられています。「知らなかった!」という人も、「うちはこんな工夫をしてるよ」という人も、参考にしてみてくださいね。
■Tomoko Doeさん
https://twitter.com/TomokoDoe
https://www.instagram.com/therealtomoko1969/