阪神・岡田監督が「アレ」を8分間で15回連呼 気を許す京都の「メンバーズ80」とは 会長はノーベル賞の学者

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 ところが、岡田氏が08年に阪神監督を退任し、オリックスの監督に就任すると、岡田会もメンバーの離脱があり、「空中分解しかけた」(山田さん)という。それでも本庶特別教授のリーダーシップのもと、岡田氏を囲んでの年1回の総会(交流パーティー)とゴルフのチャリティーコンペは続いた。

 ただ困ったことがあった。岡田会でつくった横断幕をどうするか。虎のロゴがついていたからだ。岡田氏は当時のことを明かす。

 「オリックスで3年間監督した時も、ね、タイガースのこの虎のマークを折ってね、オリックスのメンバーズ80という形で、3年間、その時も応援してもらって。球団じゃなしにね、本当にね、個人的にすごい親しい80名というかメンバーで結成してもらって、本当にありがたいです」

 オリックスの監督を退いた後も、京都では毎年、シーズン開幕前に岡田氏を囲む会が開かれた。40~50人ほどのこぢんまりした集まりになったものの、メンバーの50代男性は「岡田さんや吉田さんの戦力分析やシーズン展望を聞くのが楽しみだった。本庶先生も毎回来ていた」と明かす。

 ゴルフ好きの本庶特別教授と岡田氏の関係は深い。2018年に本庶特別教授がノーベル賞を受賞した際、岡田氏は京都新聞の取材に応じ「何年も前から『次はノーベル賞』と聞いていたが、本当にすごいこと。すごすぎて、なんて言っていいか、わからへん」と祝辞を寄せている。

 15年ぶりの監督復帰。阪神を率いることへの期待はやはり大きく、1月の激励会には約230人が出席した。

 メンバーズ80・岡田会の会長として冒頭あいさつした本庶特別教授は「2008年、岡田監督が退任された後、いつの日か再登板があるということを切望いたしておりました」とうやうやしく語った。そして「私はすぐに優勝という性急な期待よりは、しっかりと若手を育て、2年3年という連続優勝、黄金時代の出発としていただけたら幸いです」と期待を込めた。

 吉田元監督もステージへ。揚々と「『アレ』を成就するために一つ健闘をしていただきたい」とジョークを交えた後、こう締めくくった。「京都にこれだけの応援していただける、ありがたいみなさまがいらっしゃるということで、20年間後援会が続くというのは、僕はたいへんなことだと思います。今年の秋か来年の秋にはまたこうして盛大に催していただくことを祈りながら、岡田監督の健闘をお祈りしたいと思います。岡田、がんばってくれよな」

 恩師のエールを受けて壇上に上がった岡田氏は「アレ」を連発し、喝采を浴びた。

 「僕はずっとアレって言ってるんですけど、まああの~、結局アレなんですけどね(笑)。目指しているところもアレなんですけど、なかなかもうね~、アレしか言えなくなったんですけど(笑)。自分の口からアレっていうの、人に言ってもらうのはいいんですけどね。自分の口から言うのも恥ずかしなってきて(笑)。まあでも、最終的にはアレに向かっていきます」

 「すぐに優勝しなくていいけど、僕はすぐにアレします(笑)。今年ね、アレできなかったらね、ほんともうね、来年どうなるかもわからない。とにかく今年からね、アレを目指してやるんで」

 「ことしは、アレですね、アレをやりますから(笑)。期待してください。はっきりいって、今年、私自身アレできなかったらだめだと思っているんで」

 「本年度からアレに向かってやるんで、また、あの~、1年後になるか、1年後ですかね。またね、こういうね、こういう会で、こういうアレの報告を皆さんにして、もっと盛大に、アレを分かち合いたいと思うんで、まあ甲子園とかね、京都からは近いんで、甲子園とかいろんなテレビやラジオで応援してください」

 岡田氏の後も阪神の監督にはさまざまなOBが就いたが、たとえば「京都真弓会」や「京都矢野会」といった京都における後援会組織は、岡田氏のほかには確認されていない。

 メンバーズ80・岡田会事務局長の山田さんは言う。「岡田さんは付き合えば付き合うほど、情に包まれた人だと感じる。この会は岡田さんが続く限り、一代限りの岡田一代記やね」

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