「緊急避妊薬」薬局で買えるようにするOTC化に「賛成」約9割 「自らも体を守る権利がある」…女性1319人調査

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

オンライン診察でピルを処方するアプリ『smaluna(スマルナ)』を運営する株式会社ネクイノ(大阪市北区)は、全国の10~50代の同アプリユーザーの女性1319人を対象とした「緊急避妊薬(アフターピル)に関する意識調査」を2023年1月にインターネット上で実施。その結果、6割の人が「緊急避妊薬を使いたい状況に直面した経験がある」と回答しました。また、緊急避妊薬を処方箋がなくても薬局で買えるようにするOTC化については、約9割の人が「賛成」と回答したそうです。

調査の結果、99.4%の人が「緊急避妊薬を知っている」と回答。また、「緊急避妊薬を知ったきっかけ」については、74.9%の人が「自分でインターネットで調べた」と回答しました。

なお、「緊急避妊薬の理想的な知り方」では、82.8%の人が「教科書や学校での教育で知るのが理想」と回答しており、今後、緊急避妊薬を含めた性に関しての正しい知識をどのようなタイミングでインプットしていけば良いのかという課題が浮き彫りになったそうです。

続いて、「緊急避妊薬を使いたい状況に直面した経験」については60%の人が「ある」と回答。そのうち、80.4%の人が「実際に服薬したことがある」と回答しました。

また、「緊急避妊薬が必要になった理由・背景」としては、「コンドームが破けた・うまく装着できなかった」(38.1%)、「相手がコンドームを着用してくれなかった」(30.1%)などが挙げられたそうです。

「緊急避妊薬服薬後、避妊に対しての考え方」を聞いたところ、72.3%の人が「考え方が変わった」と回答。具体的には「自分でできる避妊方法を始めようと思った(低用量ピルや子宮内避妊具など)」(73.3%)が最多だったほか、「避妊をしてくれない彼とは別れようと思った」「診察で、アフターピルも100%の避妊効果があるわけではないことや、服用後は性行為ができないことなどを知り、これからより一層気をつけようと思った」といったコメントもみられました。

次に、「緊急避妊薬の入手方法」を聞いたところ、「オンライン診察」(50.9%)、「病院」(44.5%)、「その他」(4.6%)という結果となりました。なお、「その他」のなかには「海外在住時に薬局で購入した」という回答もみられたといいます。

また、「緊急避妊薬が必要となった場合どこで入手したいですか」と聞いたところ、「薬局で買いたい」(40.3%)、「病院に行きたいが、忙しさや土日などで行けない場合は薬局で買いたい」(29.2%)が上位を占める結果になりました。

最後に、「緊急避妊薬が薬局で買えるようになる(OTC化)の動き」については、86.2%の人が「賛成する」と回答。その理由として「72時間以内でしか効果が得られないにも関わらず、現状入手しづらいから」「より多くの人の意思に沿った選択肢を増やすべきだと思う」「田舎で病院が少ないことと、知り合いに会うかもと行くのを躊躇うこともあるから」「望まぬ妊娠を防げる可能性が高まるため」などの声が寄せられました。

なお、緊急避妊薬についての実体験や意見については、「すぐにアフターピルを使いたいと思ったが仕事を休んでまで早急に病院を受診できず、その後アフターピルを服用したが結局妊娠してしまった。もっと身近にアフターピルが有ればよかったなと思う」(20代)、「簡単に手に入るようになれば性行為を助長するから反対だという意見があることは知っているが、手に入りにくくすることで本当に困っている人が対処できずに辛い思いをすることを分かってほしい」(20代)、「土曜に避妊に失敗して月曜朝一に仕事を休んで婦人科を受診してもなかなか診察と処方まで辿り着けず大変だった」(30代)、「アフターピルを2回使用したことがある。1回目も2回目も行為の36時間以内に服用しましたが、2回目はピルを服用しても避妊に失敗し妊娠をしたことがあった。普段からの避妊がいかに重要か実感した」(20代)といった声が寄せられたそうです。

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調査を実施した同社によると、緊急避妊薬は世界保健機関(WHO)で『必須医薬品』に指定されており、また、厚生労働省にも認可されている医療用医薬品。現在、緊急避妊薬を処方箋がなくても薬局で買えるようにするOTC化について国の検討が進んでおり、1月31日までパブリックコメントが募集されていたといいます。

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