故人が好きだった食べ物、お気に入りのもの、よく着ていた服など、棺に入れる「副葬品」。思い出を辿りながら、故人を悼む大切な時間です。
そんな副葬品にある食べ物を選んだことで、思わぬハプニングに見舞われた投稿がツイッターで話題を呼んでいます。投稿者のおすし(@sushi_kuitai_ne)さんは、お祖父さんの棺に生前食べたがっていたというお正月の切り餅を入れることにしました。
しかし、棺に入れる直前になりお餅が硬いことに気が付きます。「このままでは食べられない!」と右往左往する大人たち。切羽詰まって葬祭会館のスタッフに「トースター借りられませんか!?」と助けを求めたところ、「火葬の際にお餅も焼きあがりますので…」と冷静に返されたのでした。おすしさんはこのやりとりを思い出してあとからじわじわと笑いが…。当時のことを伺いました。
お祖父さんは「毎年1日12個以上の餅」
ーーお祖父さんはどんな方だったのでしょうか。
「私が高校卒業時に実家を出るまで同居していた母方の実祖父です。2023年1月1日の夜に亡くなりました。
地元の豪傑じいさんといった感じで、いつも地域の誰かが祖父に口利きの相談に訪れていました。孫とひ孫には甘かったです。戦中の生まれで食べ物に苦労したらしく、その反動で(と自分でよく言っていました)食への執着が強い人でしたが、餅はとりわけ大好物で去年の正月までは毎年1日12個以上の餅を食していました。
祖父曰く市販の餅はコシがない!とのことで毎年年末に自宅で家族で餅をつき、固めて切り餅にして1月いっぱい食していました」
ーーお餅が大好きだったのですね。お餅が硬いままなのは誰も気づかず?
「気づいておらず、四角い切り餅を生のまま持参しました」
ーースタッフからの冷静な言葉を受けて
「その時はみな悲しみに暮れているので『そっか…そうだよね』『じいちゃん、一緒に焼けるから食えるってさ、よかったねぇ』みたいな感じでした(これも今思うとジワです)」
ーーお餅のほかには何を?
「日記を欠かさない人でしたので愛用の筆記用具とノート、生前楽しんでいたクロスワードなども入れました」
◇ ◇
ツイートは11.2万いいねがつくほど話題となり、「おじい様、きっと天国で焼きたて食べられましたね」「うちは干物で同じ会話がありました」「みんなで笑って送り出せるのは故人にとっても素敵なことかもしれない」「おじい様喜ばれたでしょうね」とコメントも相次ぎました。