漫画家目指すファンに、ウエストランド井口「どうせ通用しない!」連呼 「叱ってくれてありがとうございます」に本人も反応

宮前 晶子 宮前 晶子

『M-1グランプリ 2022』王者ウエストランドと言えば、その忖度なしの毒舌について賛否両論の声があります。しかし、強烈な猛毒フレーズを浴び、前に進む覚悟を決めたという女性の投稿「ウエストランド井口さんに叱られて漫画家に挑戦し始めた話」は、多くの人に感動を与え、「泣けた」という声も。ツイ主のカゲワサビ@漫画描きさん(@AoiKageyama 以下カゲワサビさん)の投稿エピソードを紹介するとともに、詳しいいきさつを聞きました。

「井口さん叱ってください」と依頼

IT系企業の正社員だったカゲワサビさんですが、小さい頃からの夢は漫画家。働きながらの漫画制作は時間確保が難しいと感じていました。とは言え、安定を捨てて成功するかどうかわからない道に専念するのは勇気が必要です。どっちつかずの自分に鬱々とした気持ちは高まるばかりでした。

そこで、いつも聴いているウエストランドのラジオ『ぶちラジ』の「ののしり先生」コーナーに「今の仕事に熱意が持てない。本当は漫画家になりたい。井口さん叱ってください」と相談メールを送信。

採用され、番組内で相談メールを相方の河本さんが読み始めると「漫画家挑戦しろよ、一生後悔するぞ」といきなり厳しい口調が沸点に。その後も「通用すると思ってるから踏み出せないんだよ、通用しないと思えば踏み出せるから。やってみろよ!通用しないから」と「通用しない」を連発。

「冷たいよ、愛がないんだよ」とフォローの言葉を述べる河本さんを振り切り、「通用しない」を言いまくる井口さんの言葉にカゲワサビさんは「本気でやってみよう」と意を決したそう。現在は、会社を辞め、漫画の持ち込みをしたり、イラスト制作の仕事をしたり、全身全霊で漫画制作と向き合っています。

一連のエピソードの投稿には、
「全然違う業種やのに喝はいりました」
「めちゃくちゃ染みました!!」
「ぶっ刺さりました。。。 本当の本気の優しさですね。」
「妙にやる気の出る叱り方ですね…!!」
「通用するかもの可能性をゼロにしたくないから、なかなかチャレンジもしない …本末転倒なのに、めっちゃその心理に陥りがちです。なんて響く叱咤激励っ」
との声や、
実際にこのラジオを聴いた人からの
「これ聞いたらマンガの10倍は、“通用しない”って言ってて爆笑しました」
「思ったより“通用しません”が冷たくて笑いましたw 踏み出せて良かったですね」
「“通用しまっせん”の、言い方にツボってしまいました」のコメントも。

さらに、驚くことにウエストランド井口さん本人からのリツイートや、その後のラジオでこの投稿について語るといううれしい展開も!

興奮冷めやらぬカゲワサビさんに話を聞きました。

――井口さんにもリツイートされましたね!

「今回のエピソードが井口さんにも伝わったということがわかり、大変うれしかったです! そしてリツイートしていただけたということは、良いこととして捉えていただけたのだなということがわかりホッとしました。怒られるかな?とちょっと心配していたんです」

――最初の投稿は1月16日。なぜこのタイミングで投稿を?

「M−1優勝後から、“井口さんがあまり好きではない”“井口さんが河本さんに冷たい”など、井口さんをマイナスに捉える意見をみることが多かったからです。井口さんはいい人なんだよということが少しでも伝わると良いなと思って、今回のエピソードを漫画にしました」

――カゲワサビさんは、ウエストランドのどんな点を魅力だと考えています?

「他のお笑い芸人さんのYouTubeでの井口さんのトークが面白く、約2年ぐらい前から少しずつウエストランドさんのファンになっていきました。ラジオへの投稿は、あまり行ったことがなくて、井口さんのYouTubeへのスパチャやnoteの購入をしたり、ウエストランドさんが出演する番組を見たりしながら応援していました。

井口さんの痛快な愚痴と、河本さんの独特な雰囲気によりうみだされる漫才がとても面白いなと思っています。そして、ぶちラジ!やANNなどラジオでは漫才とは打って変わって、仲が良さそうなところも魅力です」

――ラジオに相談メールを送った当時は、自分の生き方について迷っていたんですね。

「漫画家になりたいのはずっと昔からの夢で、本気度はずっと高かったのですが、当時は、なかなか漫画を描く時間が捻出できなくて。良い企業だったからこそ、この会社をやめて本気で漫画に専念するかどうか?という決断には勇気が必要で。なかなか踏み出せないでいたんです。

漫画家に挑戦するか、今のまま頑張るか…けっこう悩み、深刻さが募ってラジオにメールを送ったのですが、採用されたら嬉しいな、くらいの気持ちでした」

「私の恩人です」

――読んでもらった後の井口さんの言葉に、どんな感情を?

「まさか“通用しない!”と何度も言われるとは思っておらずびっくりしました。でも、勢いよく叱っていただいたことにより、モヤモヤと悩んでいた気持ちが晴れてスッキリし、言っていただいた通り“通用しない”という前提で漫画家に思い切って挑戦してみようかなという前向きな気持ちになることができました」

――きれいごとを言って応援するのではなく、叱咤激励する井口さん、その言葉にきちんと応えるカゲワサビさん。どちらも自分に対して真面目でかっこいいです。その後、いろいろ動き出したとのことですが、どんな変化が?

「8月に当時勤めていた会社を退職することを決め、11月末には退職しました。 そこからは会社員時代の貯金から生活費を出しながら、毎日5時間以上は漫画家への挑戦に専念する日々を過ごしています。具体的には、漫画編集部に漫画絵の持ち込みをしてみたり、広告漫画やイラスト制作の仕事を請け負ったり、コルクラボ漫画専科という漫画家を目指すコミュニティに所属して漫画家志望の方や、すでに漫画家として活動されている方と一緒に漫画の勉強や制作を行なったり、という日々です」

――ウエストランドがM-1王者になった時、カゲワサビさんも本気で夢に向かっていたということですね。M-1優勝の瞬間はどんな気持ちになりました?

「事前の予想では、オズワルドさんやロングコートダディさんの優勝の声が多かったのですが、私はウエストランドさんが優勝すると信じていたので、優勝した時は本当にうれしかったです。ウエストランドさん、特に井口さんの長年の頑張りが報われて本当に良かったと思いました」

――既にこのエピソードはお二人に届いていますが、改めてウエストランド、そして井口さんに伝えたいことをお聞かせください。

「ののしり先生に私の相談を採用してくださり、ありがとうございました!そして井口さん、痛快に叱責くださり誠にありがとうございました! 本当に、井口さんのおかげで一歩前に進むことができました! 井口さんは人生の恩人です!

私は、井口さんに言われた“通用しない!”を前提にしつつ、ウエストランドさんに貢献できる漫画家になれるように頑張り続けます!」

カゲワサビさんは1日おきで19時にTwitterに日常漫画を投稿しています。今後にも注目を!

■カゲワサビ@漫画描きさんTwitter@AoiKageyama

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