深夜、「バイク無えの?バイク」と物色する声を聞きました 手紙に物騒な情報 愛車盗難の危機を救ったご近所さんの気遣い  

竹内 章 竹内 章

1月のある日、東京都内の集合住宅に暮らすTwitterユーザーのボン(@bontaro71)さんの郵便受けに手紙が投かんされていました。その驚くべき内容たるや…。やっぱりご近所づきあいって大切、そう痛感させられるお話です。

「っつかホントに生きた心地しません。とりあえず車に積んどこうと思います。」などの投稿とともにボンさんが公開した手紙の画像にユーザーが目を見張りました。ご近所さんからというの手紙には、「昨夜(深夜)1時すぎ頃 「バイク無えの?バイク」と物色する声を聞きました。」「念のためお気を付けください。」と書かれ、ボンさんのバイクが盗難に遭わないか気遣う内容でした。

ボンさんによると、集合住宅でバイクを所有しているのはボンさんお一人。ツーリングとサーキットの計2台で、どちらもチェーンロック、アラームロックをした上で厳重にカバーを掛けて駐車しています。駐車場は集合住宅の裏手にあり道路から見えず、行き止まりになっており、住民以外は立ち入りすることはまずありえません。

ところが、年末から、見たことがない人がバイクのそばにいたり、わずかながらも掛けてあったシートがめくられたりするなど、おかしなことが続いていました。その時は気にも留めませんでしたが、ご近所さんからの“通報”の後は、ただちにバイクを車に積み込むなど、管理をより厳重にしました。ボンさんに聞きました。

2022年暮れにあった怪しい出来事

ーお手紙が危機が迫っていることを伝えてくれたのですね

「同じ集合住宅の住人の方を疑いたくはありませんが、あまりにも会話が不穏で気味が悪いと感じました。お知らせいただいことについては、本当に感謝しかありません」

ー今思うと、前兆らしきものが

「昨年暮れですが、私が自家用車で買い物から帰宅した際、不審な人物が私のバイク付近で何かを探しているような様子を目撃しました。掛けていたバイクのカバーも、わずかですがめくられたようでした。私が戻るのと同時にその人はマンション入り口階段を上がったので、『階上の方が洗濯物かなにかを落とされたのかな?』とも思いました。気にしていなかったのですが、今回の手紙を見て驚いた次第です」

ー知らせてくれた方とは普段のどんなやり取りが

「お会いした時にあいさつを交わす程度です。ただ、私が駐車場でバイクの軽整備などをしているとき、お子さんと一緒に声を掛けてくださいます。お子さんがバイクに興味津々のようです」

手紙の主さんと屋外でこの話をすることははばかれるため、ボンさんは感謝の気持ちをつづった手紙を投函したそうです。「またお会いした際は、気軽に声を掛けていただけたらうれしいです」と話しています。続けて「SNSを見ていると毎日のようにバイクや車の盗難の話題を見かけます。今回の私の件は被害に遭う前で本当に幸運でした。盗難被害が1件でも少なくなることを切に望みます」とも。

警察庁の犯罪統計によると、2020年のオートバイ盗の認知件数は9018件。前年は1万1255件だったので2237件の減少です。件数が減ったこと自体は喜ばしいですが、根絶されたわけではありません。ふとした会話で始まったご近所さんとのお付き合いが、愛車を守ることになった今回のケース。こうした出来事が1件でも増えますように。

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