劣悪なブリーダーから救い出された片目のパグ犬 いつも申し訳なさそうに近づいてくる…「いつか笑顔が見られますように」

渡辺 陽 渡辺 陽

人気犬種のパグ犬は、丸くて大きな目とぺちゃんこの顔が愛嬌たっぷり。そんなパグ犬のある画像がTwitterで話題になっています。うつむきかげんで目の輝きを失った犬。そこには「申し訳無さそうに近づいてきてくれる。人間に恨みや憎しみがあるなら俺を噛んでもいいし、うなってもいいんだよ。でも、この子はそんなことはせず、下を向いてとにかく申し訳なさそうにしている。本来、表情豊かで人間と感情を共有できる動物なのに、何がそうさせたのか。本当に心が痛む」というつぶやきが添えられていました。

投稿したのは、センちゃんさん(@senchan707)。リプ欄には、

「センちゃんパパさんみたいな優しい方に保護してもらって良かったです。この子の笑顔が見られる日が来ますように」

「読んでいて涙が出てきました。パグちゃんが笑顔で上を向いて、沢山感情を出せるようになりますように」

「あたたかい愛に包まれて、笑顔になりますように」

と、ししゃもくんの幸せを願うリプライがたくさん寄せられました。

悪質なブリーダーのところで保護されたというこの子は、何故こんなに悲しい顔をしているのでしょうか。詳しいお話を聞きました。

ーー犬の名前は?

「ししゃもくんです」

ーー何歳ですか。

「当初1歳9カ月と聞いていましたが、獣医さんによると、推定5〜6歳以上の男の子なのだそうです」

ーー保護の経緯を教えてください。

「ブリーダーのところから4匹のパグ犬がレスキューされたのですが、みんな劣悪な環境で飼育されていたそうです。3匹はすぐに里親が見つかりましたが、この子は片目がないためか、なかなか声が掛かりませんでした」

ーーどのような暮らしをしていたのでしょうか。

「想像を絶する環境だったと聞いています。小さなプレハブ小屋に様々な犬種が何匹も入れられていて、臭いもひどかったそうです。食事はまるで鳩の餌やりで、地面にばら撒かれたごはんを奪い合って食べ、何も食べられない子もいるような状況。散歩をしたこともなければ、お風呂に入れてもらったことすらありませんでした」

ーーそれは悪質ですね。ししゃもくんは右目がないのですか。

「犬同士で喧嘩していて、攻撃を避けた時、柵の針金が右目を貫通したので眼球を摘出したそうです。見た目は痛々しいのですが、獣医さんは『今は痛みは感じていないだろう』と言っていました」

ーー人を怖がりますか。

「犬は本来、人間と感情を共有できるくらい豊かな表現ができる動物です。それなのに彼は怒ることも喜ぶこともなく、いつも隅っこで申し訳なさそうに下を向いています。5年以上も劣悪な環境下にいたのですから、人間に恐怖心を植え付けられるようなことをされたのでしょうか…。明日が来るかどうかも分からず、毎日怯えながら生きていたのかもしれません」

「うちのシェルターで引き取って、まずは医療的なケアや心のケアをすることにしました。5年以上にわたって傷つけられた身体や心がすぐに癒えるとは思っていませんが、少しずつ心を開いてくれるように私たちも全力で愛情を注いでいます。少しずつお散歩の練習もして、ししゃもが今まで見たことのない外の景色を一緒に見て、楽しませてあげたいと思っています」

ーー里親を募集する予定はありますか。

「これからしばらくは健康状態を整え、心のケアをしっかりと行おうと思います。まだ、うちに来て間もないですし、今はまだ何も考えていません。彼にとって何が一番の幸せかをしっかりと見極めた上で判断しようと思います」

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