保護犬の譲渡活動を通じ、「殺処分ゼロ」の実現を目指すピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。この団体に引き取られたワンコ、ジョニーはもともと飼い主に捨てられ、愛護センターに移送され殺処分寸前でした。さらに不幸が続き、緑内障を患っており、両目が失明になりました。それでもジョニーは、自らの命を守ろうと苦しい状況の中でも前を向き、一生懸命生きていました。
大きな手術を行ったことで奇跡が訪れた
そんな中、同団体が獣医さんに診てもらい治療を続ける中で、大きな手術を行うことになりました。このときのジョニーはそろそろ推定10歳くらいに差し掛かる頃。この手術もきっと過酷なものだったように想像します。しかし、この手術のおかげで奇跡的に左目の視力が回復しました。団体のプロジェクト・マネージャーの安倍誠さんはこう語ります。
「やっぱり全く見えないのと少しでも見えるのとでは、ジョニーにとっては全然違うと思います。本当に視力が回復して良かったと思いますね。
ジョニーはすごく性格の良いワンコです。他のワンコとも相性が合っていつも仲良くしています。左目の視力が回復したことで、今後はさらに仲良くできるんじゃないかと思っています」
そして、ジョニーは人間も大好き。安倍さんが朝、犬舎に出勤すると、匂いや声で安倍さんが来たことを察知し、窓越しにすごく甘えて「早く来て!」「一緒に遊ぼう!」と「要求吠え」してきます。実際に安倍さんと対面した際も、すぐに安倍さんの体に飛びついてきて、遊ぼうアピールをするのだそうです。
また、ジョニーはも散歩も大好き。むしろ食事をすることよりも散歩のほうが好きなくらいだという。再び安倍さんが語ってくれました。
「『体を動かすことができる』という点で『散歩が好き』ということだけじゃなく、どうもジョニーは散歩を通して人間と触れ合い、遊べたりすることも楽しんでいる様子です。そのため、『散歩』に行くとなるとすごくハイテンションで嬉しがってくれます」
支援者の方の思いをそのままワンコに伝えたい
こんなジョニーの明るい性格、人間好き、遊び好きの性格と照らし合わせてみても、左目の視力の回復は本当に良かったです。安倍さんはさらに語ります。
「『犬を助けたい』という思いとともに、高齢犬とか病気を持っているワンコなど、新しい里親さんへの譲渡が難しいワンコに対しても、多くの支援者の方々から支えていただいていることが本当にありがたいと思っています。そういう支援者の方がいるからこそ、私たちは保護されたワンコを幸せにする活動ができています。
こういった支援者の方々の思いをそのまま、すでに私たちの施設にいるワンコや、これから殺処分の対象になるワンコに伝え、還元していきたいと思っています」
「命さえ救えば、必ず光が訪れる」
波乱万丈の犬生をおくっていたジョニーですが、2021年12月に脳機能症障害で虹の橋を渡りました。あれだけ元気だったジョニーを姿を思い浮かべると、寂しい気持ちになると安倍さんは言いますが、それでも人間が意図的にその命を終わらせるのではなく、ジョニーがジョニーらしい生活をおくり、その命を全うできたこと、そしてそれを支えられることができたのは、ピースワンコを支えてくれている支援者の方々のおかげです。
言うに及ばず、このジョニーのように保護されたワンコ、殺処分対象のワンコ1頭1頭に、それぞれ違う事情やストーリーがあります。今、殺処分寸前で真っ暗闇の中で、恐怖と絶望に怯え過ごしているワンコたち。
ピースワンコでは、「命さえ救うことができれば、必ず光が訪れる」という強い思いのもと、こういったワンコたちを1頭でも多く救いケアし続け、新しい里親への譲渡活動を行いながら、「殺処分ゼロ」の実現を目指しています。
ピースワンコ・ジャパン
https://peace-wanko.jp/