衰弱し脚が動かない子猫 獣医師「どれくらい生きられるかわかりません」 飼い主さんのマッサージが奇跡を起こした

鶴野 浩己 鶴野 浩己

どの足も動かない状態で必死に鳴き続ける子猫…。そんな子猫が愛情いっぱいの飼い主さんと出会い、ハンデを克服していく動画が「生命力の強さに感動」「涙が止まらない」とInstagramで注目されています。

2021年のある夏の日に、投稿主の「masatoro__」さんに保護されました。その日、外出先で「子猫の鳴き声がずっと聞こえる」という友人のインスタ投稿を見た「masatoro__」さんは、急いで友人に場所を確認。すると幸いにも近くだったため、すぐに駆けつけたといいます。

そこで見つけたのは、すべての足が麻痺して一歩も動けない子猫の姿。まわりには、誰かが置いていったらしい猫の缶詰などがあったそうですが、動けない子猫は近づくことすらできずに、ただ鳴くばかりでした。

「masatoro__」さんはすぐに子猫を保護して、近くの動物病院に。しかし、レントゲン撮影をしても骨折はなく、麻痺の原因はわからなかったそうです。

さらに獣医さんからは厳しい言葉が続きます。

「低体温状態で、どれくらい生きられるかわからない。石を食べているから自力で排泄できるようになるか、そもそも今後歩けるようになるかもわかりません。それでも家族に迎えますか?」

 

しかし「masatoro__」さんは、「家族に迎えないという選択肢はありませんでした」ときっぱり。ちょうど就職活動中で自宅にいられる時間が長かったこともあり、その日から、付きっきりのお世話が始まりました。「まさとろ」と名付けました。

体が冷えないように湯たんぽを用意し、30分ごとに体勢を入れ替え。生後1カ月ほどで歯が生え始めていたので、ミルクとウェットフードを併用しながら離乳も進めました。心配していた排泄は、寝たきりの状態ながらなんとか自力でできたそうです。

そうして2週間ほどが経ち、体力が回復してきたのを見計らってからリハビリをスタート。

まず始めたのはマッサージで、「獣医さんに教えてもらったり、似た状態の子をお世話しているSNSを検索したりして、抱っこするタイミングで1日に何度もマッサージをしていました」と振り返ります。

 

そして、遊ぶ意欲を湧かせるために、目の前でおもちゃをチラチラ。すると、目と一緒に首が動くようになっていき、徐々に右の前足でもおもちゃをチョイチョイと追いかけるようになります。

そうして保護から約1カ月後には、麻痺が残りつつも滑りながら遊べるように。「立ち上がろうとしてはパタンと倒れる…の繰り返しでしたが、動こうとする意欲はすごくありました。なので、その動きをサポートする、ということを続けていました」

子猫と飼い主さんの二人三脚のがんばりは、少しずつまさとろちゃんの体に変化をもたらします。家族になって3カ月を超える頃には、なんとキャットタワーに自力で上れるまでに回復。粗相が多かったトイレだってほとんど完璧になりました。

 

今でも左の前足には強い麻痺が残っているそうですが、「ハンデなんてないかのように元気に遊んでいます」と「masatoro__」さんも嬉しそう。

 

「毎日できることが増えていくまさとろの姿は感動の連続で、キャットタワーに上るなど、こちらが無理と決めつけていることを克服していく様子に勇気ももらいました。この子を見ていると『私の悩みなんてちっぽけだな』と思えます(笑)」

今では、先住猫さん2匹とも仲良しで、一緒に遊んだり寝たりしながら、幸せな家猫ライフを楽しんでいるそう。飼い主さんにも、高い声でピャーピャーと鳴きながら、遊んで、かまって、撫でてとかわいい猫姫様っぷりを発揮しています。

 

「あの時に保護できて本当に良かった。今では、まさとろがいないなんて考えられないです」という「masatoro__」さん。投稿の反響について伺うと「外で暮らす猫たちの厳しい現状を知ってもらうきっかけになれば。あと、コメントでたくさん応援の声をいただいて、世の中はいい人がいっぱいいるんだなと改めて感じました(笑)」と答えてくれました。

生きることを諦めなかった子猫と飼い主が作り上げた幸せな日常。「masatoro__」さんのInstagramには、ハンデを抱えながらも元気に育っていくまさとろちゃんの姿がたくさん投稿されています。先住猫さんたちとの触れ合いも、ほっこりするものばかり。気になる人は、ぜひ覗いてみてくださいね!

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