「おいさん、それはいかん」。青空の下、中古のゲーム機や衣類とともに湿布を販売する男性を見かけた、ちろ薬剤師(@Toki_nd2525)さんが警鐘を鳴らしました。「モーラスパップ」という湿布は医薬品で、医薬品を無許可で販売する行為は医薬品医療機器法(薬機法)で禁止されている上、副作用が出る恐れもあるといいます。ちろさんに聞きました。
炎症が起こる副作用の恐れも
ーー医薬品の湿布は路上で売られていたのでしょうか?
「いえ、週末に行われたフリーマーケットです。『西成のあいりん地区かな?』『医療費無料の方々でしょう』と生活保護受給者が制度を悪用して手に入れた医薬品を転売しているのではないか、という見方をする意見もいただきましたが、悪意のある転売ではないと思います。60代後半くらいの男性がゲーム機や食器、布団カバーなど様々なものをフリマで売る中で、湿布も並べていた、という感じでした」
ーーそれでも湿布転売には問題がある。
「今回売られていたモーラスパップという湿布は医薬品です。医薬品を許可なく販売することは医薬品医療機器等法(薬機法)に違反します。モーラスパップは、貼った箇所に太陽光が当たると炎症が起こる『光線過敏症』という副作用の恐れもありますし、副作用が出ても、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の副作用救済措置の適応にならないのでご注意ください」
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かつては湿布の処方に厳格な規制がなく、2016年に処方上限が70枚に定められ、それでもなお不要な処方が続くことから、2022年から最大63枚に処方上限が減らされました。医師から処方された医薬品が余ってしまったとしても、無許可販売は違法です。うっかり転売しないよう、また転売品を買わないよう、くれぐれも気を付けましょう。