「ニホンリスたちにたくさんのどんぐりとお手紙を送っていただきました。秋の味覚は、冬眠をしないニホンリスたちが寒さの厳しい冬を乗り越えるパワーになります。いただいたお手紙は私たちスタッフへの励みにもなりました。本当にありがとうございます」
袋いっぱいに入ったどんぐりと、かわいいリスのイラストが描かれた手紙の写真を添えてツイートしたのは、「盛岡市動物公園 ZOOMO(@moriokazoo)」(岩手県盛岡市)さん。
リプ欄には「心温まるお話のお裾分けありがとう」「ほっこりした」「ZOOMOは盛岡の人達に愛されてますよね」との声が集まりました。
盛岡市動物公園 ZOOMOの広報担当者の方にお話を聞きました。
みなさんの優しさ溢れる寄付が、動物たちを支えています
ーーほんとにかわいらしいお手紙ですね!差出人はどんな方ですか?
「おばあさまとお孫さん、二人のお手紙が入っていました。おばあさまからは、お孫さんと一緒に『リスさん喜ぶかなー』と言いながらどんぐり拾いをしてくださったことが。お孫さんからは、リスのイラストと共に「りすさんいっぱいたべてね」と温かいメッセージが書かれていて。また、来年春の開園時にリスたちに会えることを楽しみにいるということを伝えてくださいました」
ーー今回のように動物たちへどんぐりの差し入れをいただくことは、以前からよくあるんですか?
「園内にコナラやミズナラの木があり、秋にはたくさん実るのですが、来園者が拾った木の実を動物の放飼場に投げ入れてしまうことが多々起きました。そのため、イノシシやツキノワグマの獣舎に数年前から鳥の巣箱を代用した「どんぐりポスト」を設置して、『飼育係が動物たちの体調を見ながらおやつとしてプレゼントするので、拾ったどんぐりは投げ込まずにポストに入れてね』と発信したところ、週末にはポストから溢れるほどたくさんのどんぐりが集まるようになり、送ってくださる方も増えてきたという経緯があります」
ーーリプライ欄には「ZOOMOは盛岡の人たちに愛されていますよね」という投稿もありましたね。盛岡の方たちとのすてきな関係を伺えて、とてもほっこりした気持ちになりました。
「岩手県はリンゴの生産が盛んで、動物公園の周辺にも多数のリンゴ農家さんがいらっしゃいます。それもあって、収穫後に出荷されずにジュースや加工品になるリンゴを毎年たくさん寄付していただいています。そのほかにも、竹林をお持ちの方から春にタケノコをいただいたり、野菜農家さんから野菜を寄付していただいたり。食べ物以外にも、治療中の動物が使うシーツや毛布や、地元企業さんから動物たちが布団やおもちゃとして使う麻袋を寄贈していただくことなどもあります」
ーーみなさんの応援や寄付が、動物さんたちを支えているんですね!
「そうなんです! 特定の動物や個体のファンの方から果物やお魚などを送っていただくこともあり、様々な形で地元の方に限らず、県内外の多くの方々からのご支援で支えてもらっています。また、2年半前からは『Amazon欲しいものリスト』を通じて動物たちの飼育環境の改善のために必要な物品の寄付も多数いただいています」
ーー2023年春にリニューアルオープンされるとか! どんな動物公園になるんですか?
「『動物福祉』や『里山の再生』をキーワードに、園の理念である『One World-One Health(人と動物と環境の健全性は相互に深く関わり合いひとつであるという考え方)』を体感できる施設へと変わる予定です。具体的には……今までは動物との距離が遠く、その魅力を十分に伝えきれない展示施設も多かったのですが、ガラス観覧場所や動物と同じ空間に入ることができる展示を取り入れたり、飼育動物の心身の状態に配慮した飼育施設にすることなど、動物たちのよりイキイキとした姿を見ていただけるようにできたらと思っています。昨年からは市民の方たちと一緒に放飼場内の植物を植えたり、休憩所内の壁面にイラストレーターさんと一緒に絵を描いていただいたり、みなさんの思い入れを深めてもらえるよう様々な企画を開催しているので、ぜひご参加ください!」
■盛岡市動物公園 ZOOMO
https://zoomo.co.jp
https://twitter.com/moriokazoo/