第一三共ヘルスケア(東京)は「パートナー間における健康管理」に関する意識調査を行いました。その結果、パートナー間における風邪の予防・対処・看病において生じる意識・行動について、男女の傾向に差が見られました。
半数以上の人が、健康管理の“パートナー間ギャップ”にストレス
男女5612人に事前調査で、パートナーとの間にギャップを感じたことがある経験について聞いたところ、一番多かったのが「お金の使い方」(39.2%)、次いで「親戚付き合い」(29.8%)など、様々なギャップを感じていることが分かりました。「普段の健康管理」についての考えや行動にギャップを感じる人も、2割(20.1%)見受けられました。
普段の健康管理に“パートナー間ギャップ”を感じたことがあると回答した1030人の男女に、普段の健康管理・風邪の対処・看病におけるギャップにストレスを感じたことがあるかを聞いたところ、約半数以上の人が「ある」と回答。さらに、ストレスを感じた場面としては「看病」が68.9%と最も多く、「健康管理」63.8%、「風邪の対処」54.4%の順でストレスを感じていることが分かりました。さらに、男女別でストレスを感じた経験の有無を見たところ、約2割の差が見られました。
自分の体調不良時における、相手の行動・意識に対するギャップを聞いたところ、「家事(掃除・洗濯など)をしてくれない」(28.1%)と「料理をしてくれない」(25.3%)、「仕事や用事を切り上げて早めに帰宅してくれない」(22.0%)ことにギャップを感じていることも分かりました。
家事、料理、早めの帰宅に対してギャップを感じている女性が多いことから、男性はこれらのサポートを心掛けることによって、今後パートナーとのより良い関係構築につながるのではないでしょうか。
一方、「育児」(9.7%)、「風邪薬の購入または準備」(13.7%)、「病院への送迎」(13.2%)に対する相手の行動・意識については、ギャップを感じている人が比較的少ない結果になりました。パートナーの体調が悪いときには、育児を手伝ったり、風邪薬を購入、準備、病院へ送迎をしたりと、相手を思いやる協力的な行動をしている人が多いことが見受けられました。
体調不良時には、看病につながる直接的な行動(風邪薬の準備、病院の送迎・予約・検索)以外の「家事」「料理」「早めの帰宅」などにギャップを感じやすい傾向にあると考えられます。
全体の約4割はパートナーの風邪薬を深く考えずに服用
風邪を引いたときに、パートナーが普段服用している市販の風邪薬を服用した経験があるかを聞いたところ、全体の約4割が「特に深く考えずに服用したことがある」と回答。男女別で見ると男性53.2%、女性33.9%と、男性の方が服用する傾向が高いことが分かりました。さらに、市販薬購入時の重視点を聞いたところ、男性は「効き目が高い」(18.7%)、女性は「自分の症状や体質に合っている」(19.4%)と、購入時の意識の違いも明らかになりました。
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薬剤師・鈴木伸悟さん「自分の症状や体質に合った適切な風邪薬を」
今回の調査では、「仕事」「住まい」と並んで、パートナーとの「普段の健康管理」に関する意識の違い自体をストレスと感じている人が2割存在することが明らかになりました。そして、その半数以上の人が、風邪の予防・対処・看病に関する“パートナー間ギャップ”をストレスに感じていることから、普段からお互いの考え方について話し合い、ギャップを埋めることを心掛けましょう。
また、男性は深く考えずにパートナーが普段服用している風邪薬を服用する傾向が見受けられました。市販の風邪薬を服用する前に、一度自分の症状を振り返ってみましょう。風邪薬を選ぶ場合には、発熱やのどの痛み、鼻水、せきといった症状の中で、特につらい症状に合わせて薬を選ぶと良いでしょう。
最近の風邪薬は、製品によっては成分量が増えるなど優れた効果が期待できる一方で、使用上の注意事項も増えています。同じ環境下で生活を送り信頼しているパートナーでも風邪の症状や体質は異なるため、自分の症状や体質に合った風邪薬を正しく選択し、使用上の注意事項をよく読んで服用しましょう。
◆鈴木伸悟/薬剤師・有限会社ウインファーマ セルフメディケーション推進室室長。横浜市西区薬剤師会副会長。薬剤師へのOTC医薬品販売に関する講演会の実施や、著書「薬局OTC販売マニュアル〜臨床知識から商品選びまで分かる〜」等も執筆し、自身でもSNSを通して薬剤師・登録販売者向けにOTC医薬品の役立つ情報発信を行う。