一緒に行く海外旅行のホテル代はケチるのに…自分のワインの資格取得に100万円もの大金を!?離婚原因になりうる金銭感覚の違い

長岡 杏果 長岡 杏果

離婚原因の1位は性格の不一致といわれていますが、金銭感覚の不一致も原因の一つに十分なり得るのではないでしょうか。相手の多少の欠点には目をつぶることも必要かもしれませんが、金銭感覚というのは幼少期からの積み重ねで身に沁みついたものなので、なかなか相手に合わせられないこともあります。夫との金銭感覚の違いに困惑した経験を持つSさんに話を伺いました。

資格オタクな夫

Sさん夫婦は、新婚の頃は休日に2人でおいしいレストランによく行っていました。夫は好きなワインをいろいろなお店で飲むうちに、当時流行していたソムリエの資格に興味を持ちました。

しかしSさんは、お酒は乾杯程度しか飲めず、一緒にワインの資格を目指すのは難しそうに思われました。そこで夫に誘われたのが「チーズ・プロフェッショナル」という資格でした。それなら楽しみながらできそうだと思い、2人でチーズ教室に通うことを決めたSさん。いろいろなチーズを試食することができる上、チーズの奥深さも学べ、楽しかったそうです。

しかし、Sさんは途中で妊娠。つわりなどがあり、チーズ・プロフェッショナルの資格取得は志半ばで諦めることになってしまいました。一方で夫のほうは無事資格を取り、今度は「ワインエキスパート」という資格に挑戦することにしました。

ソムリエの資格を取得するには飲食業の経験もしくはワインに関連する職業経験が必須なのですが、ワインエキスパートは誰でも試験に合格すれば資格を取得することができます。夫は2次試験で一度は不合格になりながらも、1年ほどの期間をかけて最終的に資格取得できました。

ただ、気になったのはかかった費用です。1次試験対策、2次試験対策とそれぞれ教室に通い、テイスティングの練習用に高級品をダース買いするなど、何本ものワインを購入。多くのお金を使っているのでは…と当時から気になっていましたが、あとで聞いてみると、もろもろ合計で100万円近くもの金額をかけていたことが分かりました。当時は教室にかかる費用も高かったと夫は説明していますが、正直Sさんは必ずしも取得できるとは限らないものに、そこまで大金を使う感覚に疑問を持ったそうです。

ちなみに、自分も夫に誘われて通っていた「チーズ・プロフェッショナル」の資格取得にも、1人あたり20万円くらいのお金がかかっていたことを知り、驚いたといいます。

夫はその後、「将来何かあったときのために」と、米国公認会計士の資格を目指し、スクールに通ったりしていたそうです。

普段の生活では倹約家

Sさんの夫は、自分の資格取得や勉強のためには出費を惜しまないのですが、普段はとても倹約家です。

Sさんはもともと海外旅行が趣味で、独身時代は円高の恩恵もあり、ブランド品を日本よりも比較的安く購入できるという理由で、買い物を兼ねた旅行をよくしていたそうです。新婚旅行の際もその感覚でブランド物の食器を購入したところ、食器の値段を見た夫にかなり引かれたそうです。

また、子どもがいないときには、2人で海外旅行にも行っていましたが、ホテル選びでよくもめていました。

旅行に行くときはSさんがホテルの予約を取るのですが、夫から指定された予算内でSさんが惹かれるおしゃれなホテルは見当たらず、大体予算より少し高めの部屋を予約していたそうです。しかしそのことでいつも文句を言われていたといいます。

Sさんは「夫が資格取得のために使う百万単位のお金に比べれば、ホテルなんて安いものなのに。理解できない」と話していました。

価値観の違いはやがて大きな溝に

Sさん夫婦は子どもが生まれたあと、新居を購入。金銭感覚についても何とかすり合わせながら過ごしていると思っていたのですが、徐々に2人の関係には溝が生まれていたようです。結果コミュニケーション不足になり、夫の浮気が発覚したことにより、離婚してしまいました。

大きな原因は夫の不貞なのかもしれませんが、Sさんは「潜在的には、金銭感覚を含める価値観の相違が原因だったと思う」と話していました。

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