昨今では動画を倍速で視聴する人が増えているそうですが、Z世代の動画視聴の実態はどのようなものなのでしょうか。18~57歳の男女800人に動画視聴について調査をしたところ、Z世代が快適に感じる動画の再生速度(倍率)の平均は「1.5倍速」であることが分かりました。また、1秒あたりのセリフの文字数で換算した場合、Z世代は「12.3文字」、他世代は「10.1文字」で、他世代の約1.2倍のセリフ量をストレスなく理解していることも分かったそうです。
損害保険ジャパン株式会社が「若者の動画視聴実態」と題して、2022年9月に実施した調査で、Z世代(18~26歳)、ミレニアル世代(27~42歳)、氷河期世代(43~51歳)、バブル世代(52~57歳)の男女各100人に聞きました。
同調査によると、「1日あたりの動画視聴時間」は平均「2.1時間」。世代別でみると、Z世代の「2.9時間」に対してバブル世代では「1.6時間」と、若い世代ほど動画の視聴時間が長い傾向が判明。
また、「よく視聴する動画メディア」については、「YouTube」(90.8%)、「テレビ」(53.8%)、「動画系サブスクリプションサービス(TVer/Netflix/Hulu/Amazonプライムビデオなど)」(41.8%)などが上位を占めました。世代別でみると、Z世代は「TikTok」(24.0%)、「YouTube Shorts」(38.5%)、「Instagramリール」(28.0%)など縦型ショート動画のメディアを見ている割合が他の世代よりも高い傾向となりました。
さらに、「近年、テンポ/スピード感が速い動画が増えているように感じていますか」と聞いたところ、46.6%の人が「そう感じる」と回答。これを世代別にみると、Z世代では56.0%となり若い世代がテンポの早い動画に触れている機会が多いことも分かったそうです。
次に、「倍速で動画を視聴しますか」と聞いたところ、Z世代で70.0%、ミレニアル世代で63.5%、就職氷河期世代で55.5%、バブル世代で60.0%が「倍速視聴している」と回答。また、「再生速度(倍率)」については、Z世代が平均「1.5倍速」で最速に。実際に再生速度を編集した動画を視聴し、「快適に感じる速度の動画」を選択してもらったところ、Z世代は「1.5倍速」、他世代では「1.25倍速」となっていたそうです。
さらに、快適に感じる速度を、動画内で話しているセリフを「1秒あたりの文字数」に換算すると、Z世代は「1秒あたり12.3文字」、他世代は「1秒あたり10.1文字」という結果から、Z世代は動画を倍速視聴する傾向があり、他世代と比べて約1.2倍も動画内のセリフ量をストレスなく理解していることが分かったといいます。
続いて、動画によって視聴速度を変えている人に「速度の変更基準を『動画の長さ』と『動画の内容』どちらで選んでいますか」と聞いたところ、「動画の長さ」で決めているのは、Z世代が50.9%で最多となり、若い世代ほど“動画の長さを基準”に視聴速度を決めていることが判明。
また、「倍速しようと思う動画の長さの基準」については、Z世代は「64.5分」、ミレニアル世代は「31.0分」、就職氷河期世代が「26.3分」、バブル世代は「19.1分」となりました。
最後に、Z世代が「倍速にして見ようと思う動画の内容」を聞いたところ、「トーク・雑談」(61.8%)、「勉強/教養/How to」(56.4%)、「美容/メイク/ファッション」「旅行/アウトドア」(いずれも49.1%)が上位に。
これを男女別でみると、男性は「トーク・雑談」(65.4%)、「勉強/教養/How to」(61.5%)、「旅行/アウトドア」(53.8%)と続いた一方、女性では「トーク・雑談」(58.6%)、「勉強/教養/How to」「料理/グルメ」(いずれも51.7%)、「美容/メイク/ファッション」(48.3%)などが挙げられていたそうです。
また、倍速視聴をするZ世代に「倍速視聴する理由」を聞いたところ、「時間がもったいないから」(51.9%)、「他の動画も視聴したいから」(48.1%)、「テンポ・スピード感が遅いものが多いから」(34.1%)という結果になっていたといいます。
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【出典】
▽損害保険ジャパン株式会社調べ