亡き祖母が描いたウルトラ怪獣の巻物 掃除中に発見、孫「グッと来た、また会いてぇな」

金井 かおる 金井 かおる

 子どもの頃からウルトラマンシリーズが大好きなイラストレーター「ULTRATAKU」さん(@TAKUM78)はこの夏、祖父母宅の仏壇を掃除し、巻物を見つけました。家系図かと思い広げると、亡くなった祖母が書き溜めていた絵日記でした。そこには幼いころの自身「たくちゃん」の姿が愛情たっぷりに描かれていました。

 ある日の日記です。たくちゃんのリュックと赤と緑の怪獣が描かれ「たくちゃん リックに 怪獣たくさん詰めこんで バァバに教えてあげると 聞いても右から左 二人で大笑い」。

 また別の日には、運動会のかけっこで両手を挙げゴールするたくちゃんの姿が。「たくちゃん ガンバレ 一等賞 白線の上に立ち 胸一杯の深呼吸で 小さな肩が バァバはみました 胸つまる」。

 祖母からの愛をあらためて実感したULTRATAKUさんは「こんなの知らなかった」「なんか凄い自分の事を描いてくれてて、きちんと見てくれてだんだなと」「グッと来てしまった、また会いてぇな…」とつぶやきました。

「まだ父を連れて行かないで」仏壇に手を合わせたら…

 ULTRATAKUさんに話を聞きました。

──「仏壇を掃除」とありましたが。

「父が体調を崩しまして。命に関わる状態で入院となりまして、普段あまりそういった願掛けとかはしないんですが、祖母の仏壇に『まだ連れて行くのは早い』と手を合わせまして…。父はなんとか数週間で退院できたので『そういやお礼を』と。あらためて見たら埃がなんか目立って感じまして。お礼も兼ねて掃除しました」

──そこで巻物を発見したんですね。

「長さは3メートルほどで、(エピソードは)11個ほど。2007年くらいの絵日記でした」

──お祖母様の描くウルトラ怪獣が愛らしいです。

「(巻物を)広げた瞬間に怪獣の絵が描いてあったことに驚きました。ウルトラセブン40周年の年だったので2006年末から2007年初めあたりに、祖母の宅にソフビ(人形)を持って行き、絵を描いた記憶があります。なにより祖母にプレゼントしたエレキングやパンドン(いずれもウルトラシリーズのキャラクター)の絵に似ていたので、大事に残して模写してくれたんだなとうれしくなりました」

──親戚の中で絵を描くのはお祖母様とULTRATAKUさんのお2人だけだったそうですね。

「祖母は祖父が亡くなってからの晩年はいろいろと趣味を広げてまして、水彩絵日記の教室によく通ってました。週末に祖母宅で一緒に絵を描くのがお互い大好きでした。自由になんでも描かせてくれました。その絵を教室に持っていくのが楽しみだったみたいです」

 現存するお祖母様の絵巻日記は今回の1本のみ。「他にも多分、何本もあったんだと思いますが、祖母が亡くなったときに整理されたのだと思います。祖母から見た自分たちの思い出を残しときたかったです」と悔やみます。

 成人後も絵を描き続け、コミックマーケットなどにイラスト集を出品するULTRATAKUさん。絵の世界を理解してくれるお祖母様に現在の姿を見てもらいたかったそうで「一緒にまた絵を描きたいし、今の絵を見せて褒められたいです」と笑います。

 お祖母様に今、伝えたいことはーー。

 「誇れるほどの存在にはなれてないですが、今でもあのときと全く変わらず絵を描くことはやめてないし、なにより楽しい趣味です。まだ怪獣ばかり描いてます(笑)」(ULTRATAKUさん)

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