神聖な滝が「そんなポイント5倍デイみたいなことある?」…爆音に驚き!那智の滝は虹が見られる季節に

太田 浩子 太田 浩子

 ツイッターユーザーの「ししジニー(@jiny3jiny34643)」さんは、9月末に連休をとって和歌山へ旅行に出かけました。天候の悪化にも柔軟に対応できる、余裕のある一人旅です。

 出発日から続いた雨から一転、快晴となった3日目は、宿からバスを乗り継ぎ2時間かけて那智の滝を目指しました。国の名勝にもなっている荘厳な滝の様子に感動しながら滝壺前の飛瀧神社に進むと、目に入ったのが「本日、那智の滝の水量はいつもの【3】倍」という看板。

 思わず「そんなポイント5倍デイみたいなことある??」とツイートしたししジニーさん。

 リプライには、「先日訪れたときは5倍デイでした」という報告も寄せられました。ツイートしたししジニーさんと、水量を掲示している「文教スタヂオ」(本社:滋賀県彦根市)の担当者さんにお話を聞きました。

──3倍の水量の滝を見られたときは、ししジニーさんはどう思われましたか?

 当日は前日の台風直撃とは打って変わった好天で、那智山を登って下りて滝に着く頃には台風のことなどすっかり忘れていましたが、看板を見て思い出しました。滝が遠目に見えるあたりから凄まじい滝音が聞こえており、「そういうもんか、さすが那智の滝だなあ」とぼんやり感心していたのですが、看板を見て、よく考えてみたらこんな爆音おかしいわと気付いて笑いました。

──滝の落口にある岩盤の切れ目から三筋に分かれて水が落ちる有名な姿ではなく、大量に流れていたということですね。

 目の前で観光写真を撮ってる方々がカメラに向かってニッコリしていたのですが、これいわゆる那智の滝のあの画像にならんわ、謎の大瀑布だわと思ってこちらもニコニコしてしまいました。

 滝は本当に素晴らしく、轟音と飛沫の間に虹がかかり、青空には鳶が飛んでいて、口を開けてぼんやり放心している時間がとても贅沢でした。

──良い旅だったのですね。なぜ行き先を熊野に?

 8月に友人が和歌山旅行しておりまして、私は9月に取った5連休の行き先を決めかねていたところだったので、じっくり熊野旅行に決めました。

──行き先は、いつもどのように決められているのですか?

 縁と言ってもいいですが、割と適当です。私は歴史や寺社が好きなので、それを楽しむということと、日程に余裕を持って、ちょっと見落とされがちな小さなものをじっくり楽しむことを方針にしています。

──今回のご旅行で心に残ったことはどんなことでしょう?

 熊野川の美しさです。こればかりは、どれほど写真を撮っても伝えきれないものがありました。あんなに澄んだ水を湛えた川が人里まで流れているのを見たのは初めてです。

 逗留した川湯温泉はアクセスが凄い(婉曲表現)場所だったのですが、川を眺めながらの露天風呂は素晴らしかったです。

──次はどこに行きましょうか?

 わかりません。ノープランです。心が動いた場所にいくのか、それともただの偶然でそうなるのか。

 今回、台風が直撃した風雨の強さを新宮駅で笑っていたぐらいの心理的ハードルの低さで行けば、どこでも楽しめると思っています。一人旅は誰を楽しませる必要もなく、自分一人の気の持ちようなので、そこがたまらなく面白いと思っています。

 ◇ ◇

 続いて、那智の滝の前で記念写真の撮影をおこなう「文教スタヂオ」那智山営業所の担当者さんに、看板について聞きました。

──水量がいつもの何倍という看板は、なぜ出されているのですか?

 私どもは、熊野那智大社さんに許可をいただいて、那智の滝の前で写真撮影の営業をしています。以前は、口頭で水量を伝えていたのですが、コロナもあり大きな声を出さずに伝えられる方法があればと思い、昨年くらいから掲示しています。

──何倍という基準はどのようにして?

 基準の量はこのくらいと私どもで決めているので、そこから2倍とか3倍とか…今まで最高で10倍を出しました。それ以上は、営業自体ができないので出すことはないと思います。逆に基準より水量が少ない時には、出していません。

──(基準と10倍の写真を見て)全く水量が違いますね!

 ちなみに、10月後半からは虹が見え始めるので「只今、虹がかかっています」という看板もだします。

──虹は期間限定なのですか?

 角度によって見えることもありますが、太陽の位置が関わってくるので必ず見える時期があります。10月後半から1月中頃が見える期間です。期間中は午前中に見ることができます。気がつかれない方もおられるので、伝えるようにしています。

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