コロナとインフル…今冬は同時流行の可能性 今できる“最善の対策”は

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦

 新型コロナ第7波が収束に向かっています。ワクチン接種と、過去最大規模の感染で獲得された集団免疫が要因とされていますが、私は後者を推します。ワクチンと感染の両方を経験して獲得する「ハイブリッド免疫」の効果も大きいはずです。

 今冬に新型コロナの第8波は来るか。第7波ほどではないにしても、おそらく来ます。第7波を引き起こした「BA.5」の次の候補とされた「BA2.5」は肩すかしで、第8波は全く新しい変異株になるはずです。

 10月から「2価ワクチン」の接種が始まっていますが、これは従来型とオミクロン「BA.1」に対応するもので、「BA.5」に対してどれほど効果があるか疑問ですし、第8波は「BA.6」か、オミクロンとは全く異なる「パイ株」か「ロー株」あたりになるでしょう。

 接種が始まったばかりの2価ワクチンを否定するつもりはありませんが、第8波を食い止める期待はもてません。集団免疫に期待する方が現実味があります。ワクチンは「感染しない」ためではなく「重症化しない」ことを目的とするものだと再認識してください。

 しかしそうなると、今冬はインフルエンザに警戒が必要です。日本では過去2シーズン流行せず、免疫のない人が増えています。オーストラリアでも過去2年間流行しませんでしたが、今年は患者が急増しました。それから考えると、日本でもインフルエンザの流行を覚悟せねばなりません。

 第8波とインフルエンザの同時流行もありえます。当院でもすでにB型インフルの患者さんが出ています。「ウイルスのなわばり説」はもはや通用しないようです。2価ワクチンとインフルエンザワクチンの両方を接種するのが、今できる最善策でしょう。

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