2022.09.19(Mon)

「そろそろ身を固めろ」と迫る両親→「お望み、承知つかまつった」と息子→衝撃の姿が話題「恋愛は戦場だから」「いよいよ出陣」

両親に「そろそろ身を固めろ」と言われてので本当に甲冑で身を固めてしまった男性がSNS上で大きな注目を集めている。

「両親が『そろそろ身を固めろ』と言ってくるので、お望み通り本物の甲冑を買って身を固めました。
両親も泣いて喜んでくれるでしょう。」と勇壮なそのお姿を披露したのは"装束甲冑系ツイッタラー"として活動する左近大夫さん（@sakone_shogen）。

どこからどう見ても身を固めている左近大夫さん。鈴木雅之さんの美声と共に両親の「違う、そうじゃない」という叫びが聞こえてきそうなこの光景に、SNSユーザー達からは

「いよいよ出陣ですか。関ヶ原合戦は昨日だったようですが。」
「火縄で狙われても大丈夫な身の固めでござる」
「健やかな時も病める時も身は固まってそう」

など数々の称賛の声が寄せられている。

左近大夫さんにお話をうかがってみた。

ーーこのお写真はその後、ご両親にもお見せになりましたか？反応、コメントなどありましたらお聞かせください。

左近大夫：写真を母親のLINEに送って報告しましたが、父親より「そうか、そういうのいいから結婚して」と連絡が来ました。前々から甲冑を集めて着ているのを知っているので、もはや慣れた反応です。

ただ、今回は本歌（江戸時代に作成された物）の甲冑だったため、物珍しかったのか、その後着物が好きな母親からは「黒と燻んだ紺、そして萌葱色のコントラストがいいね👍」とのLINEが入り、歴史が好きな父親からは「伊達家の甲冑は重すぎて転んだら起き上がれないと本で読んだけど本当なのか？」との電話が来ました。なんだかんだで趣味を理解してくれていますので、特に喜ばれる事も泣かれる事もなかったですね（笑）。

ーーこの甲冑はどのように入手されたものでしょうか？また、費用や魅力についてもお聞かせいただけると幸いです

左近大夫：この甲冑はネットオークションにて落札致しました。今回の甲冑は私が普段着ている現代製ではなく、歴とした江戸時代に作られた甲冑です。本来、甲冑や刀剣の様な贋物が存在する物をネットオークションで購入するのはそれ相応のリスクが伴いますが、ごく最近発行された鑑定書がついていたのと、細部を見ても作りが時代と矛盾しなかったので意を決して購入致しました。今回は運良くそれなりに安く落札出来ましたが、本来なら50万を超えていてもおかしく無かったと思います。

この甲冑は「仙台胴」という仙台伊達藩の家臣が着る典型的な甲冑で、江戸時代中期頃に制作されたものと見られており、日本甲冑武具研究保存会より特別貴重資料に認定されています。また度々補修を受けた形跡があり、実際に使用された痕跡も残っていました。ひょっとしたら、江戸時代中期に作成されたこの甲冑を子孫が幕末に修理し、これを着て戊辰戦争で新政府軍と戦ったのかもしれない…そのようなロマンを目の前で感じられる甲冑です。

最近ではこのような本歌の甲冑の多くが海外に流出しており、このままでは大切な日本の文化が、海外に行かないと見ることが出来ないという状況になってしまいます。なのでどうか少しでも多くの人に日本の甲冑のかっこよさや魅力をわかってもらい、同じ趣味の世界に入って来て頂けたらなと思います。

ーーこれまでのコメントや反響へのご感想をお聞かせください。

左近大夫：9月16日の夜にツイートを投稿し、本日18日までに190を超えるリプライと、230件のコメント付きリプライを頂きましたが、「その手があったか」や「恋愛は戦場だから…」「身を固めるってそっちか」「そっちの意味じゃないｗ」などといった反応が多かったです。やはり同年代の多くは同じようなことを親に言われているらしいですね（笑）。

例え親に結婚を催促されようと、そういう人生の重大事は親に催促されたからするものじゃない。いつか結婚はするかもしれない、しかしそれは今じゃない。それまでは好きなことを全力で楽しみたいとの思いから、敢えて「身を固める」の意味を曲解し、とぼけたツイートいたしました。実際、親も催促はするものの、その辺の価値観は受け入れてくれてくれてるようです。結婚して欲しいのは事実でしょうが。

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読者のみなさんも親にしつこく結婚を勧められた時は甲冑を着て対抗してもいいかもしれない。

なお左近大夫さんは現在、YouTube上でバーチャルYouTuber「左近少将★今若」としても活動。主にゲーム実況をしているが、先日、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも使用されている大鎧という甲冑の着付け方をアップしたところ好評。