大型で強い台風第11号は、日本海を加速しながら北上し、今日(6日)夜までに沿海州付近の日本海で温帯低気圧に変わる見込みです。台風の東側に位置する北海道では、夜のはじめ頃から明日朝にかけて暴風に、明日はうねりを伴った高波に警戒が必要です。
日本海を吹き抜ける距離の長い南西風
最新の予想では、台風第11号は日本海を加速しながら北上し、今日(6日)夜までに沿海州付近の日本海で温帯低気圧に変わる見込みです。
台風の接近とともに、北海道でも日本海側を中心に風が強まり、道南では今夜から明日朝にかけて暴風となる見込みです。早めの対策を心がけて下さい。なお、明日は日本海側と渡島地方ではうねりを伴った高波に警戒が必要です。
波は海面上を吹く風によって引き起こされますが、これを一般的には風浪といいます。一方、風浪が風の吹いていない領域まで伝わったものをうねりといい、周期(波の山の頂上が通過してから次の波の山の頂上が来るまでの時間)が長く、遠方まで伝わりやすいのが特徴です。
日本海は、日本列島や大陸に囲まれているため、広大な海域を持つ太平洋側と比べてうねりの発生することは少ないといえます。しかし、今回は台風の北上とともに進路の東側に当たる日本海上でも、南から南西の強風が吹くと予想されます。対馬海峡付近から吹く南から南西の強風は、対岸となる北海道日本海側まで吹き抜ける間に波の高さを増し、遠方から伝わるうねりも加わって波の強さを増幅させる見込みです。港湾関係や船舶関係の方々はうねりを伴った高波に警戒して下さい。
沿岸付近では越波や高潮等にも注意を!
日本海側と太平洋側西部では、波の高さが5メートルとしけて、明日(7日)は6メートルの大しけとなる見込みです。日本海側や渡島地方の沿岸では、海岸に面した道路に高い波が打ち寄せ、交通障害の発生する恐れがあります。運転中は強い横風に加え、急な波しぶきによって視界が遮られる可能性がありますので十分な注意が必要です。
また、海岸や河口付近では強風の吹き寄せ効果による高潮にも注意して下さい。周期が数時間程度と通常のうねりに比べて顕著に周期が長い高潮は、海面の水位が全体的に上昇する現象といえます。
強風やうねりによる高波に高潮の発生が加わると海面の水位が一気に上昇し、低い土地への浸水が急速に進む危険性があります。台風が遠ざかり、海の波が落ちつくまでは海岸や河口付近に近寄らないようにして下さい。