「前科は無いけど保護したねこが懐にいるときはある」とつぶやき、一般社団法人 ワニガメ生態研究所(@kanameogino)さんがTwitterに投稿した写真が話題です。そこに写っていたのは、ちょっと怖そうな屈強な男性と、その「懐」の中で顔を出す可愛い白猫ちゃん!
「すごいギャップ」「すねに傷(ネコがじゃれて引っ掻き傷)」「どちらにしろ危険物ですね。かわいすぎ」と、愉快なリプライが殺到した最強のギャップ写真について、「一般社団法人 ワニガメ生態研究所」の所長、荻野(おぎの)さんにお話を聞きました。
これ以上「安全な懐」を知らない
「これ以上安全な懐を俺は知らない」「完全にシティハンターの海坊主!」「海坊主は猫苦手なので進化バージョンですね」「ワニガメ界のドウェイン・ジョンソンやろ」と、そのたくましい風貌を讃えるリプライも寄せられたのは、「一般社団法人 ワニガメ生態研究所」の所長、荻野さん。ワニガメ、カミツキガメ、カメ、ワニ、ヘビ、トカゲやカエル、大型犬、小型犬、猫、観賞魚など、保護依頼のあったさまざまな動物を保護・飼養されており、「新居を建てたのでもういらない…」という身勝手な理由で10年前に手放された猫ちゃんを、天寿をまっとうするまで保護・飼養されたことでも話題になりました。
そんな「一般社団法人 ワニガメ生態研究所」の所長、荻野さんに、懐にいた白猫ちゃんについてお話を伺いました。
「猫」の保護は突発的
ーー荻野さんのタフな風貌と、懐の中の猫ちゃんの可愛らしさとのギャップが最高ですね。懐にいる白い保護猫さんのお名前は…?
「『もも』です。里親に出されているのを引き受けました。ももは自由気ままな、猫らしい可愛い女の子です。ももと同時に引き受けた、ももと同じく白猫の女の子『のの』というコもいますが、ののは現在不治の病と言われているFIPの闘病中です」
ーーツイートには、「保護したねこが懐にいるときはある」とありましたが、猫の保護は突発的な状況が多いのですか?
「猫の保護は突発的です。自ら訪ねて来て、そのまま居座った猫もいます」
ーー「一般社団法人 ワニガメ生態研究所」では、1996年頃から「不遇な動物達」の保護活動をされているのだとか。どんなきっかけで活動を…?
「人間の身勝手で動物たちが輸入され、捨てられ、安易に殺処分されてしまっているという、この国のシステムに嫌気がさしたことがきっかけですね」
ーーこれまでの保護・飼養のご経験を通して、無責任な飼育放棄や飼育崩壊などを防ぐにはどんなことが必要だと思われますか?
「今の教育では到底無理ではないかと思っています。そもそも、人間の『思いやり』自体が薄れてきているように感じていますので、親世代からの教育を考え直さなければ難しいかもしれないですね」
ーー今現在、動物と暮らしている方や、これから動物を飼ってみたいと考えている方に伝えたいことなどがあれば、ぜひお聞かせください。
「常に自問自答をしながら、動物たちの目をしっかりと見て、思いやりと責任を持って最後まで一緒に生活していただきたい、ということですね」
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特定外来生物飼養許可施設でもある「一般社団法人 ワニガメ生態研究所」。現在、保護施設では、懐にいた白猫のももちゃんを始め、約600頭の保護動物たちが保護・飼養されています。
一見、怖そうなタフガイ、「一般社団法人 ワニガメ生態研究所」の所長、荻野さん。その懐の中で守られていた白猫のももちゃんのように、動物たちは荻野さんの内側にある大きな愛情や優しさ、情熱にしっかり気づいているようです。