「レーザーカッターで障子にぐいっとはめ込むようなものを作ってみた」。日隈(ひのくま)みさき(@hino_kuma_)さんのツイッターに投稿されたのは、障子の枠にはめ込まれた鳥や植物のゆる~いモチーフ。
6.6万件ものいいねを獲得(9月2日現在)し、「素敵ですね。作ってみたくなりました。和室が楽しい空間になりますね🍵」「柄も光が透けてる感じもかわいいです♡商品化したら買います!」「風情があってよいですね(*´ー`*)」「こういう障子のあるお部屋にあこがれてました!とっても素敵です!!」「天才なアイディアを形にしてみえる!!! 」「障子ごと欲しくなったー」といったコメントが寄せられました。
障子を活かしたアイデアに対して「素敵!ウチの大広間にも職人さんが作った飾りがあるけど、もうそんなの作れないよなーと思ってたらこんな方法が!職人技がなくなって途絶える技術がある一方で、こういうものが出て来るというのはなんだか救いを感じる」「欄間の簡易版みたい✨」「障子に対して、掛け算するの意外に無かったアイデア。和室が欲しくなる」といった意見も。また猫を飼っているであろう人からは「これで猫が障子を破くのを防げないかな?」と、破りづらくなる点についても注目を集めました。
この作品に関して、作者である日隈さんにお話をうかがいました。
本業は絵本作家
ーーふだんは、どんなお仕事をされているのですか?
絵本作家として絵本を制作しています。児童雑誌や教材などのイラストを描くことも多いです。
ーーこの作品を作ってみようと思ったきっかけは?
昨年購入したレーザーカッターで、何か面白い物はできないかと考えていた時に、ポッと頭に浮かびました。自宅に障子があるから思いついたのかもしれないです。
ーー3種類ありますが、それぞれ何をモチーフに作られたのでしょうか。
花や雲です。たくさん飛んでいる鳥は、夕暮れ時に家の周りを大群で飛び回っているムクドリがモチーフです。
ーーどうやって作ったのか、簡単に説明していただけますか。
手描きしたデザインをIllustratorというソフトに取り込んで、ベクターデータという形式にします。それをレーザーカッターのソフトに落とし込めば、あとはスタートボタンを押すだけで、レーザーカッターがカットしてくれます。
ーー1つにどのくらいの時間がかかったのでしょうか。
自宅のレーザーカッターはパワーがそんなに強いものではないので、1つカットするのにかなり時間がかかります。たとえば、ムクドリ柄には6時間以上かかっています。でも、一度セットしてしまえば、その隣でお菓子なんかを食べて待っているだけです。
ーー出来上がったときの感想はいかがでしたか?
「かわいいのが出来た~」くらいに思っていたので、Twitterでの反響には驚きました。うれしかったです。
遊びの延長で楽しく作る
ーー作る時やモチーフ選びのコツなどあれば教えてください。
少し和柄っぽさがあると、障子や和室によく合う気がします。でも、自分が好きな絵柄であれば何でもいいと思います。
ーー素材はMDF材とのことですが、MDF材を選ばれた理由は何でしょう。また、どこで購入されたのでしょうか。簡単に手に入りますか?
MDF材は工作用によく使っている素材で、自宅に余っているものがあったので使用しました。ホームセンターでも簡単に手に入ります。大体ベニヤ板の隣あたりにいますよ。
――レーザーカッター購入のきっかけを教えてください。
きっかけは、イラストレーターの夫が、作品やグッズ制作用に欲しいとのことで購入しました。いまでは私の方が使っている時間が多いです。
ーーほかにレーザーカッターで作ったものは?
自身の個展の際に、子どもが遊べるスペースを作るために、動物などのキャラクターをレーザーカッターでカットしました。こちらも素材はMDF材なのですが、丈夫で1つも壊れませんでした。評判もよかったです。
ーーこれから、どんなものを作ってみたいですか。
展示に来てくれた子どもたちが遊べるようなおもちゃを作りたいと思って、引っ張るとパタパタ羽が動くおもちゃや、組み立てて完成させる動物などを試作中です。基本的に仕事の合間にやっているので、遊びの延長で楽しく作れたらと思います。
◇ ◇
この「障子にはめ込むやつ」を商品化できないか、一緒に考えてくださる方や企業さんを募集しています!という日隈さん。「いろいろなクリエイターのデザインが揃えば、とても楽しい商品になるはずなのですが、いち絵本作家ひとりではどうにも……。あ、絵本も書店などで見かけましたらぜひ(笑)」とも話してくださいました。
1つあれば、お部屋の雰囲気がやさしくなる「障子にはめ込むやつ」は、インテリアのほか、お店やホテルでも使えそう。商品化が待ち遠しいですね。
日隈みさきホームページ:https://www.hinokumamisaki.com/