街なかを歩く「まぐろ人間」に驚き「すしざんまいの社長が競り落とすやつ」「笑ってしまった」…実は職人が大真面目に作ったバッグだった

谷町 邦子 谷町 邦子

「マグロを背負って行ってきます!」。大きなマグロ型のバッグを背負う男性の写真がツイッターで話題に。バッグのマグロはヒレが省略されることなく再現されており、尾びれにかけての突起「小離鰭」(しょうりき)まで付いているなど、造形にこだわりが感じられます。

バッグの作者でもある投稿者のカバン職人 かばんばか(@kabababaaan)こと川本有哉さん(以下、川本さん)に、周囲からの反応や使い心地について聞いてみました。

投稿への反応は、「やばすぎるw」「Twitter開けた瞬間でてきて笑ってしまった」「思ったよりでけぇw まぐろ人間」「良いマグロだわ。背負いたい❤」「これ初競りで すしざんまいの社長が競り落とすやつ」など、驚きと笑いが寄せられていました。「素敵すぎて惚れる。マグロかわいい。」「えぐいツボ…すき……明日から新宿マルイで出展らしい絶対いく」とバッグに魅了された人や、「30分くらい前にすれ違いました」と目撃した人もいました。

また、その大きさから「このマグロに楽器入れて運びたくなるの、私だけじゃないと思うんよね」「Tubaケースかと思った!!」「この形のギターケースあったら面白そうやね」と、音楽業界から意外な需要を感じさせるコメントも続々。

「築地にいそうな【全長150cm】まぐろバッグ」を背負い、川本さんが向かったのは、新宿マルイ本館で8月25日まで開催中の『海の生き物、カバンになっちゃった展』。会場では記念撮影する人も多いというこの巨大バッグへの反応や、細部にまでこだわった機能性などについて話してもらいました。

裏地は赤身、ファスナーで開けると「三枚おろし」に…想像以上にマグロな「まぐろバッグ」

――重さ約3.5キロ(横150センチ、縦75センチ、奥行き30センチ)の35万円の一点ものとのことですが、背負っている時の周囲の人からの反応はどのようなものでしたか。

「『うわー!でっかいまぐろや!』と知らないお兄さんに言われました。爆笑してる女子高生もいました。カバンを背負ってるだけで誰かが微笑んでくれて新鮮でした!」

――どんな経緯で「築地にいそうな【全長150cm】まぐろバッグ」ができたのですか。

「今回、新宿マルイ出店『海の生き物、カバンになっちゃった展』にあわせて制作した新作になります。ボディバッグの通常サイズの『まぐろバッグ』(横45センチ×縦20センチ×奥行き8センチ、重さ320g)のことばかり考えていたら大きくなりました」

――「築地にいそうな【全長150cm】まぐろバッグ」の機能面やこだわった点を教えてください。

「ぱっと見はネタに見えると思うのですが、普段使いもしていただけるよう中に赤身色の裏地を貼っていたり、ショルダーも牛革とナイロンで丈夫に仕上げています。通常の『まぐろバッグ』と同じように、ファスナーを開けると三枚おろしになるようにファスナーを付けています。前の部分のヒレの裏のファスナーポケットと背中の青い部分のファスナーポケットを開けると赤身が顔を出します。口のポケットも独立しているので小物など入れていただけます」

「ネタ」に留まらない、遊び心と高い品質へのこだわり

『海の生き物、カバンになっちゃった展』では、マグロのほか、チョウチンアンコウ、ふぐ、メンダコ、ウミウシなどさまざまな海の生き物、マグロのカマまでも革製品のモチーフになっています。オンラインショップには海洋生物に加えてペンギンやカエル、てんとう虫など生き物、りんごやみかん、焼肉ロースターの形のバッグも!

「欲しいと思ったカバンがどこにも売っておらず、それならば自分で形にしよう」という思いで立ち上げられた工房「かばんばか」。「コレ、カバンになったらおもしろい」をコンセプトに、ユニークなカバンを作るうえで大切にしていることなども聞いてみました。

――生き物をモチーフとしたアイテムが多いのですが、デザインの着想はどこから?

「もともと生き物がすごく好きで、かばんも大好きで、好きなものと好きなものが合わさって形になっています。素材や機能にもしっかりこだわって、リアルさの中に可愛さや面白さをいれて、『かばんばか』らしく仕上げています」

――デザイン、素材選びなど、バッグづくりのこだわりなどを教えてください。

「デザインはもちろんですが、品質にもこだわって作っています!素材は兵庫県の国産牛革や岡山県の倉敷帆布、YKKの金属ファスナーなど、国産の良質なものを使用しています。変わったデザインが多いんですが、必ずデザインする時に実際に使う時の事を考えた、使いやすいファスナーの位置や、肩に負担のかかりにくいショルダーの太さなどにもこだわっています。革のカバンは裏地がないのも珍しくない中、しっかり裏地も貼って、カバンの中にもファスナーポケットなどもお付けしています」

――今後、どのような作品に挑戦したいですか。

「今は海の生き物ですが陸の生き物にも挑戦していきたいです! 最終的には小さなカバンのミュージアムを作りたいと考えてます!」

◇  ◇

6年前から自由で遊び心あふれるバッグ制作を始めた川本さん。自分が好きなモチーフをかばんで大胆に表現するだけでなく、国産の素材にこだわり、耐久性や収納、体への負担なども考慮するといった、高い品質を追求する姿勢や使う人へのやさしさがうかがえました。

「築地にいそうな【全長150cm】まぐろバッグ」をはじめ作品のバッグは展示会のほか、オンラインショップ「かばんばか Made in Kyoto」でも販売中。「かばんばか」ではすでに制作されたアイテムの販売に加え、自分好みのデザインやサイズ、素材のオーダーメイドにも対応。「今回のような巨大まぐろバッグのような大きいカバンも作れます!」とのことです。

●カバン職人 かばんばか(@kabababaaan)さんのTwitterアカウント https://twitter.com/kabababaaan
●オンラインショップ「かばんばか Made in Kyoto」 https://kabanbaka8.thebase.in/

『海の生き物、カバンになっちゃった展』
住所:東京都新宿区新宿3-30-13 新宿マルイ 本館1階 in POP UP SPACE
開催日時:8月19日(金)~8月25日(木)、午前11時~午後20時(最終日25日は午前10時~午後17時)
●新宿マルイ https://www.0101.co.jp/003/?from=01_sp_st003_access_head_logo

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