林家たい平、妻や子供に見せる父としての背中 自宅で飼う保護猫4匹にも「十分伝わるものがある」

石井 隼人 石井 隼人

落語家の林家たい平(57)が、長男で弟子の林家さく平(25)と映画『でくの空』(8月26日東京公開)で親子初共演。かつてベストファーザー賞に選ばれたことのあるたい平は「一生懸命やっている背中を見せる」ことを父親の流儀にしている。物言わぬ大きな背中は妻や子供だけではなく、自宅で飼う保護猫4匹の目にもしっかりと焼き付けられているようだ。

誰よりも朝一番に起きて洗濯

長男のさく平を筆頭に、社会人の長女と大学生の次男を育ててきた。「父親として意識しているのは、人生の先輩として一生懸命に生きる姿を見せること。仕事はもちろんのこと、掃除や洗濯など家の中で自分のできることは精一杯やる。カッコいい言葉を投げかけるよりも、誰よりも朝一番に起きて洗濯したり、洋服を畳んだり。その姿を家族は見ているわけですから、それだけで十分伝わるものがあるはずです」と黙して語らず、行動で示すスタイルを貫く。

掃除と洗濯はたい平が担当するという見事な主夫ぶりだが「そもそも僕は掃除や洗濯が得意。ならば得意な人がやればいいというだけの考えです。やれる人間が時間のある時にやればいいと思うし、やるならば楽しそうに徹底的にやる」とたい平家のモットーを明かす。

保護猫4匹もたい平にゾッコン

最も楽しい掃除タイムは、飼い猫たちのトイレを掃除する時間だという。「猫のトイレは掃除をすれば目に見えて綺麗になる。ピカピカにするとすぐに猫たちが嬉しそうに入って来る」と目を細める。

飼っている保護猫4匹のエサ係は妻が担当しているそうだが「猫はエサをあげている人になつくものだけれど、うちの場合は掃除係の僕になつく。膝に乗せるとワンちゃんのように1時間くらい撫でさせてくれる子とか、僕にしか撫でさせない子もいます。猫たちも『この人が私たちのトイレを綺麗にしてくれているんだな』と理解しているみたい」とどこか誇らしげだ。

お互いの自由を阻害しない

落語家という表に出る職業も子育てには役立ったと思っている。「僕がどんな風に働いているのかを家族に見てもらえる仕事で良かったと思っています。僕の仕事は人を笑わせて喜ばせる仕事なので、お客さんの喜びが子供たちに伝わって『お父さん、いい仕事しているなあ』と感じてくれていれば」と期待する。

『笑点』では時々、どこまでが本当か判らないような夫婦ネタがある。夫婦円満の秘訣については「人としての自由を尊重すること。お互いがやりたいと思うことに対して口を出さない。それは干渉し合わないということではなくて、お互いの自由を阻害しないということ。結婚して子供もできて、さらに自分のやりたいこともできるのが一番。ここに不満が募るとよくない。『あの時に口出しされたから出来なかった』なんて言われたら僕も悲しい。無関心はダメだけれど、お互いの人生を尊重し合うのは大切なことです」と落語家であり愛妻家でもある。

息子との親子初共演でジーン

不慮の事故で部下を亡くした男の再生をたい平が演じる『でくの空』では、長男のさく平と親子役で初共演。「撮影中は落語家としてではなく俳優の先輩としてのアドバイスをしたりして、普段できないやり取りができたのが良かった。彼にも色々と感じ入るところがあったのではないかと思います」と嬉しそう。

息子(さく平)が父親・周介(たい平)を励ますために肩に腕を回す場面がある。「私生活でそんなことをされたことがないので、ちょっとジーンと来ました。芝居をしながら『いつか息子もこんなことをしてくれるのだろうか?』と考えたりして。あの時の僕の表情は周介としてではなく、父親としての僕のリアルが出てしまっています」としみじみしている。

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