人生初のチリコンカン 妻のリクエストで買った自動調理鍋は優れもの 定番カレーもほったらかしで完成  

堤 冬樹 堤 冬樹

 食洗機、ドラム式洗濯乾燥機、ロボット掃除機―。

 これら三つの時短家電をまとめて、現代版「新・三種の神器」と称されることが多いようです。でも、個人的にはロボット掃除機より、自動調理鍋を推したいところ。わが家ではシャープの「ヘルシオ ホットクック」を使って半年ほどですが、その便利さゆえ日々の暮らしに欠かせない存在になっています。「自動調理鍋はさまざまな種類があり、子育て中の30~40代の共働き世帯に特に人気があります」。ヨドバシカメラマルチメディア京都(京都市下京区)の担当者はそう話します。

 子育て世帯対象の「家事の時短に関する調査」(株式会社コズレ、2020年)によると、家事にかける時間は1日平均4・4時間(料理2・2時間、掃除1・0時間、洗濯1・2時間)。「家事の時間を短くしたい」との回答は84%に上ります。共働きのわが家も、保育園に通う子どもが2人いて毎日ドタバタ。家事の時短は常に意識しています。

 ホットクックは、妻のリクエストで購入しました。筆者自身は正直「何これ?」でしたが、使ってみてびっくり。例えば王道のカレーは、切った野菜や肉のほか、ルーや水を鍋に入れて調理開始のスイッチを入れるだけです。

 調理時間は約45分ですが、自ら手を動かすのは具材を切る15分ほど。かき混ぜたり、ルーを割り入れたりする作業は要りません。調理中は火を気にせず、子どものことや仕事などに時間を割けますし、予約や保温ができるので出勤前のちょっとした時間を使って仕込むこともできます。

 付属のレシピ本を参考に、ミートソースやいわしの梅煮などいろいろ試しました。とにかく簡単で普通においしい。ラタトゥイユやチリコンカン(メキシコの豆料理)といった料理も人生で初めて作りました(厳密には私ではなくホットクックがですが)。子どもがパクパク食べてくれるのが何よりです。

 他の製品も含めて詳しく教えてもらおうと、ヨドバシカメラマルチメディア京都へ。「自動調理鍋」コーナーには、約30種類の製品が並びます。生活家電を担当する宮川良介さん(34)によると、コロナ禍の影響でおうち時間が増えたことにより、ホットプレートやたこ焼き器などの調理家電と同様、自動調理鍋も売り上げが急増したそうです。

 コーナーで多いのが、圧力機能が付いた製品です。調理時間が短縮できるほか、豚の角煮など味が染み込みやすいのが特長で、売れ筋の一つがアイリスオーヤマの「電気圧力鍋ヘルシープラス」(3リットル、7月21日現在の店頭価格2万660円)。宮川さんは「コンパクトでコスパに優れている。ミドルサイズの代表格」と話します。「塩分控えめ」「低カロリー」といったヘルシーメニューを選ぶことができ、ご飯も糖質カットで炊けるといいます。

 また、人数が多い家族向けに宮川さんが勧めるのが、ティファールの6リットルタイプ「クックフォーミーエクスプレス」(7月21日現在の店頭価格2万9170円)です。他社製品にはない大容量なのに、高出力のヒーターを備えていて調理時間が早いのが売りとのこと。200以上の豊富なレシピが選択できることも嬉しいところです。

 さて、肝心のホットクックですが、圧力調理の機能がない上、2~4人用の店頭価格は5万9800円(7月21日現在)と、他の製品よりかなり値も張ります。それでも自動調理鍋コーナーで1番人気といいます。

 その理由について、宮川さんは「圧力鍋タイプは調理時間が短縮できる一方、カレーだとルーを入れてかき混ぜる必要があるなど、ひと手間要ることが多い。その点、ホットクックは完全に『ほったらかし』にできることが大きい」と指摘します。ほったらかしにできるのは、ふたの裏側に付いた「まぜ技ユニット」が自動で上下し、具材をかき混ぜてくれるから。複数の特許が取られているとのことです。

 火の番が不要で、家事の負担を減らせる点はどの製品にも共通していること。購入層は共働きの子育て世帯が多く、新郎新婦へのプレゼントとして買われることも。容量の少ないタイプは1人暮らしの人にも人気で、値段が高くても自炊すれば元が取れると考える人もいるとか。

 実際、わが家も外食が減り、会社に弁当を持参する頻度が増えました。料理が苦手、時間に余裕がない、パートナーに料理を任せきり…。毎日の料理への心理的なハードルも下がり、さまざまな人の心強い味方になるのでは。そう強く思います。

 時短家電に関しては、ヨドバシカメラの社員の間でも人気が高いそう。ちなみに宮川さんは「洗剤や柔軟剤が自動で投入されるドラム式洗濯乾燥機を使っています。本当に便利で、もう元には戻れません」と苦笑します。「昔は手洗いだったのが、洗濯機に替わってどんどん便利になっているように、自動調理鍋も今後さらに浸透していくのでは。メニューに応じて調味料が自動で配合されたりするようになるかもしれません」

 なるほど、今後のさらなる「進化」にも注目です。さあ、この記事の執筆も終わったので、夕食のカレーの準備に取りかかります。もちろん、便利な自動調理鍋を使って。

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