じっと見つめて「ロックオン」→遊んでのサイン ひとりぼっちのアザラシの仕草に「遊んであげたい」「大人にも構って、お願い」 

二木 繁美 二木 繁美

「すずにロックオンされたら遊んであげてください 頭を横に…縦に…振るのは『遊んで』のサインです」と、水槽の中からじっとこちらを見つめているゴマフアザラシのすずちゃん(メス・4歳)の動画が投稿され話題に。北海道の札幌市にあるサンピアザ水族館(@sunpi_aquarium)の担当者にお話を聞きました。

じっと見つめた後に、「こっちに来て!」と言わんばかりに、クイッと頭を動かしています。繰り返し頭を振って催促する動画に、「遊んで遊んで遊んでって駄々っ子でかわいいです」「遊んであげたい」「すずにサインを出されたい…」「ロックオンされるまで粘ってみてよっと」とのコメントが続々。

なかには「この子前行ったときめちゃめちゃ遊んでくれた子だ~。左右に動いたら着いてきてくれた 最後下の方ずっと見てるから何かと思ったら水槽の前にイヤリング落としてた笑 教えてくれてありがとう」「子ども相手に遊んでる姿をよく見る気がする。大人の私には構ってくれないが。構って、お願い」とすずちゃんと遊んだ体験談や目撃談も寄せられました。

どうすればすずちゃんと楽しく遊べるのか、担当飼育員の高橋直子さんに聞きました。

誘われるかは運まかせ

ーーこちらを撮影されたのは?

「閉館作業中に視線を感じて見てみると、すずがこちらを見つめていました」

ーー遊んでのサインが、なぜ首を振ることなのでしょうか?

「よくこちらを見ていたため、なんとなく水槽越しに手を振って見せたところ、首を振って動きを真似するようになりました」

ーーこの行動はどれくらいの頻度で見られるのでしょうか。

「すずも気まぐれなところがあるので、毎日行う時もあれば、まったくやらない時もあります。お子様の来館者が大好きなので、見かけたら遊びに誘ってくる確率も高いです」

ーー遊んでもらえるかどうかは、完全に運なのですね。遊んでのサインを見つけたときは?

「水槽に手を当てて、縦横に動かしてあげると、すずも手の動きに合わせて顔を動かして、まねっこ遊びみたいな形で遊んできますよ。

最近では、ボールやハンカチなどを使って遊ぶ方もいらっしゃるのですが、すずが興奮しすぎて餌の食いつきが悪くなってしまうことがあるため、道具を使わず、手を動かして遊んでいただければうれしいです」

ーーこの動画の後は、一緒に遊んであげたのでしょうか。

「閉館作業中だったため、少しだけ付き合いました。すずはよく、担当飼育員に熱烈な遊んでアピールをするものの、遊び方に不満があるのか、すぐに飽きてこちらの様子を見ているだけとなることが多いんです」

人を観察するのが大好き

2018年に、生後8カ月で稚内ノシャップ水族館からやってきたというすずちゃん。「すずは好奇心旺盛で、人を見るのが大好き。清掃中にも何をしているのか気になって、たまにそばによって、作業の邪魔をしたりします」と、人間観察が好きだそう。

お客さまのそばによってじっと見つめたり、のぞきこんで来ることもあるそうですが、気まぐれで、写真撮影しようとすると、さっと離れてしまうこともあるのだとか。

「当館では、もともと2頭のゴマフアザラシを展示していましたが、6月半ばに同居していたサクラが亡くなってしまったため、現在はすず1頭の展示となっています」とのこと。すずちゃんのサインを見たら、ぜひ一緒に遊んであげてくださいね。

怒ったり噛みついたりするような行動はほとんどなく、温厚な性格だというすずちゃんは、水の中で逆さまになって寝ていることも。「息しているの?」と、心配になりますが、アザラシは血液中に酸素を多く取り込めるため、長く息を止めていられるのだとか。快適に寝ているそうなので、心配しないでくださいね。

「サンピアザ水族館」
住所:北海道札幌市厚別区厚別中央2-5-7-5
電話:011-890-2455
公式ホームページ:http://www.sunpiazza-aquarium.com
公式Twitter(@sunpi_aquarium):https://twitter.com/sunpi_aquarium

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