猫に噛まれ「感染症で死にかけた」壮絶な入院ツイートが話題 「パスツレラ症」による「敗血性ショック」とは?

はやかわ かな はやかわ かな

発熱の約2週間前「猫の牙で多量に出血」

ーー「数年前から飼い猫(家猫)に日常的に引っかかれてたまに出血していたが傷が深い時だけ水で流して特に気にしていなかった」とツイートされていましたが、今回の傷は今までとは何かが違ったのでしょうか?

「うちには猫が3匹いて、僕を引っ掻いたのは、赤ちゃんの時に里親募集で引き取ったメスの猫なのですが、その頃僕は大阪で一人暮らしをしていたため、猫にとって僕は、『後から来た格下』の扱いなのかもしれません。なので猫を撫でたい時は、家族が撫でているうちにこっそり入れ替わる…という手法で撫でていたのですが、それに気づいた猫に噛まれた時、思わず手を引っ込めてしまったため牙が皮膚に引っかかり、めちゃめちゃ血が出たことがあったんです。それが発熱する2週間くらい前だったと思います」

ーーICUに運ばれた後の状況について、「ICUに6日間もいたのに3日分くらいしか記憶がない」とツイートされていましたね。

「一連のツイートを書く前はあまり記憶がなかったのですが、時系列に沿って書くうちに断片的に思い出し、あの日はあんな状態だったな~と、何となく思い浮かんで来ました。こんなにツイートが拡散されるとは思ってなくて、いつものノリで書いてしまったので、どっかで炎上しないかとビビっております(笑)」

自分の背中からも漂った「ICU独特の臭い」

ーー一連の投稿の中でも、「仕切りのためのビニールカーテンに化け物が映る。24時間邦楽ロックみたいな音楽が聞こえてくる」「ICU内は独特の臭いがあり、自分の背中からもそれが漂っていた」「(一般病棟で同室だった)爺さんの内一人が夜中に悪臭を放つ。ICUで嗅いだ臭いと同じものだった」という表現が非常に生々しく、興味深いものでした…。

「ICUの構造を知るまでは、壁の向こうに別の部屋があって、そこで誰かが『邦楽ロック』を聴いてるのでは…と思っていました。80年代や90年代っぽい曲を1曲ずつ演奏していて、曲の合間毎にちょっと司会が入る音楽番組が聞こえてくるようなイメージでしょうか。『ICU内の独特の臭い』についてはリプライにも返信しているのですが、看護師さんによると、どうやらオムツの吸水ポリマーの臭いらしいです。あの臭いは他で嗅いだことのない臭いで、何とも説明出来ないですね」

ーー「死亡率30~40パーかよ(戦慄)」というツイートからも深刻な状況が伝わって来ましたが、入院中とくに辛かったことは…?

「入院自体が初めてだったのですが、いちばん辛かったのは、カリウム補充の薬の副作用ですね。薬をやめるまで夜は一睡も出来ず、テレビやスマホを見る元気もなく、24時間ひたすら何もしないで過ごす『無』の時間と副作用の苦しみは本当につらかったです…」

ーー退院後も、足の指が変色するなどの深刻な後遺症があったそうですね…。

「左足の中指は切断することになるんじゃないか、と震えていましたが、皮膚科での診察後、皮が剥けてきて通常の色に戻って来ました。回復しつつあると言ってもらっています。全身のかゆみもありましたが、弱めの飲み薬と塗り薬で対応していて、こちらも回復して来ています。体調はもう、98%ぐらいもと通りで、食事も今まで通り食べられています。現在は会社にも元気に出社しています」

ーー今も定期的に通院されているとのこと。改めて今の気持ちと、今後の「猫ちゃん」との接し方についてお聞かせください。

「今回の経験で感じたことは、いつ死ぬか分からないので日々の暮らしに感謝…ってことですね。猫については、触ろうとしなければ攻撃して来ないので、ほどほどの距離感で今まで通りに過ごしています。猫との暮らしについては、リプや引用リツイートを見ていて、噛まれたり引っ掻かれて腫れたとか、家族が亡くなったとか、意外と同様の経験をしている方が多いことに気づきました。担当医も、退院後に再度受傷しないかを特に気にしていたので、とにかく皆さんも、もしペットに噛まれたり引っ掻かれたりした時はしっかり消毒をしてほしいです」

◇ ◇

いちのせさんは年齢も若く体力もあり、持病や免疫疾患はありませんでした。「パスツレラムルトシダ感染症」は、ペットとの濃厚な接触を避け、接触後の手洗いやうがい、消毒などの徹底によって避けられるとのことです。「自分は大丈夫」と過信せず、安全安心にペットとの時間を過ごしたいですね。

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