兵庫県西宮市にあり、2015年に創業100周年を迎えた老舗文具店の「安田文具店」には、「おち柴」として有名な看板犬の柴犬・カンナちゃん(15歳、メス)がいます。「おち柴」とは「店内に落ちている柴犬」のことで、カンナちゃんがお店の床に寝転がっている様子を表します。
店主で飼い主の安田さんが2018年に「本日は柴犬が店内に落ちまくっていて、ご来店いただいたお客様にはご不便をお掛け致しましたこと、お詫び申し上げます。回収しても回収しても、気がつけば、、といういたちごっこを繰り返している今日この頃です」とツイートすると、たちまち話題になりました。お店のSNSには「おち柴」の様子や、文具と一緒に写っていたり、寝ているカンナちゃんの写真がたくさんアップされています。安田さんにお話を伺いました。
――ツイートの反響はどうでしたか?
「あれはすごかったです。金曜日あたりにあげたのかな。土曜日、日曜日くらいか、通知が鳴りやまなくて、けっこうお客さんも来てくれるようになりました。ツイッターの力は大きくて、遠方からも来てくださいます」
安田さんがカンナちゃんを飼い始めたのは2015年頃。里子だったそうです。
――すぐに看板犬をしていたのですか?
「最初は慣れてなかったので、バックヤードと店内のどっちにもベッドを置いてたんですけど、バックヤードの方で寝ることが多くて。でも、犬が来たっていうのを、知ってるお客さんに言っていたら、みなさん会いたいって、なでなでしてもらえるようになって、どうもそこにいたらみんながなでてくれるということが分かったのか、店にいるようになりました。なでられるのは好きみたいです」
――店内で「おち柴」をするようになったのは、お店に出てすぐですか?
「しばらくしてからかな。1年目はそんなに店の中をうろうろしてなかったと思うんですけど、だんだん態度が大きくなって(笑)。走って逃げるとかそういうことは全然ないので、うろうろするようになったのがしばらくしてからですね。で、暑くなった頃にぐでんと寝るようになって、邪魔やからどけてどけて…ってしてたんですけど、何回どけても出て行っては寝るで、だんだんみんな慣れてきて。ちょっとツイートしたらすごい反響だったんです」
――「おち柴」のネーミングは?
「『落ちている』という表現はたぶんツイッターで別の方がしていたのを見かけて、まさに落ちているなと思って。端っこに寝るとかそういうこと全然なくて、本当に真ん中にどーんといるので(笑)。それがおもしろいと言ってもらえます。それを『おち柴』ってネーミングしたのは私かもしれません」
――びっくりする場所で「おち柴」をしていたことは?
「入口にも落ちますね。でもやっぱり通路が多いかな。日当たりがいいときに、外のお客さんが踏むマットの上にしばらく落ちていた時期があります。それはちょっとあまりにも邪魔なので、どけてどけて。気がついたらそこで落ちているっていうのが、あの子の中ではやってた時期はありました」
――「おち柴」の理由は何でしょうか?
「たぶん夏は冷たいからで、マットに寝ていたときはちょうどそこが日当たりがよくてポカポカしててあったかそうだったんです。何か理由があるんでしょうね。あんまりクーラーがききすぎてても好きじゃないんで、床が冷たくてちょうどいい温度なんやと思います」
カンナちゃんは4月13日に15歳の誕生日を迎えました。
――最近の様子はどうですか?
「マイペースが過ぎるというか(笑)。奥で私たちが仕事している足元でどんと寝るとか、場所はかまわないですね」
――最近の「おち柴」の頻度は?
「バックヤードの方が風通しがよくて気持ちいいところがあるみたいで、今はそっちがはやっていますね。外に出てることが少なくなって、連れてくるんですけど、まだクーラーをつけるほどでもない日が多いんで、ちょうどその風通しがいいみたいで、そこにすぐ行っちゃいます。ベッドを置いてるところじゃなくて地べたなんですけど」
――最後にカンナちゃんのファンの方々に一言お願いします。
「マイペースで愛想もないですが(笑)これからも健康に気を付けて頑張って長生きしますので、よろしくお願いします」
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