「せんせ、ぼくこのクラス好き」「でもね、バカにされる」「いちばんいいクラスなのに!」特別支援学級のマンガが伝えるもの

伊藤 大介 伊藤 大介

「せんせ、ぼくこのクラスが好きだよ」「でもね、楽やけんいいねとか、みんなにバカにされる」「こんなにがんばっているのに!」。発達障害などがある特別支援学級の子どもたちが思いを語る漫画がTwitterに投稿されました。漫画を描いたusao(@_usa_ooo)さんは特別支援学級で担任を務めた経験がある小学校の教員です。「特別支援学級について、みんなで考えてほしい」とメッセージを寄せたusaoさんに話を聞きました。

“みんなと違う場所“の見えない声、届けたかった

usaoさんは1991年大分県生まれ、福岡県在住。小学校の教員をしながらTwitterで漫画を発表しています。著書にうさぎのキャラクターが登場する『usao漫画』『usao漫画2』、夫のK氏との日常を描いた『なんでもない絵日記』(いずれも扶桑社)。2021年3月に『usaoの先生日記』(東洋館出版社)を著しました。6月23日には「今のわたしになるまで」という本が出版されます。

ーー「特別支援学級について みんなで考えてほしい」という漫画を投稿した理由を教えてください。

「一度特別支援学級を担任したことがありました。その際、交流学級とは違うやり方、難しさ、保護者や子供たちの気持ち、初めて知ること、今まで知らなかったことがたくさんでした。今まで、『わかっているつもりだった』私は、同じ立場に立って初めて、『何もわかってなかった』ことに気づきました」
「もちろん良さもたくさんありました。“みんなとは違う場所“と言われる場所の聞こえない、見えない声を、誰かが届けないと何も変わらないのではないのかと思い、描かせていただきました」

子どもたちの声、作品に込めた

ーー漫画に出てくる「このクラスが好きだよ」「たくさんの友達ができたんだ」「でもね、楽やけんいいねとか、みんなにバカにされる」「全校でいちばんいいクラスなのに」という子どもたちの言葉が印象的です。そのような言葉を耳にする機会があったんでしょうか?

「はい。もう少し抽象的や具体的な表現でしたが、わかりやすく表現させていただきました。『たくさん手を挙げて発表できる』『たくさん勉強できる』『勉強がわかる』『いろんな学年と仲良くなれる』とはよく呟いていました。

ーー特別支援学級について思うところがあったら教えてください。
「『みんなと違うから友達が減る』『将来(進学)が狭まる』『みんなと遅れてしまう』『いじめられるのでは』『交流の方が、学びがある』。そう言われてしまう特別支援学級があります。交流学級と支援学級、2つあるからこその良さも必ずあります。良いところも見つけて欲しいです」

◇  ◇

usaoさんは取材に対し、特別支援学級についてわかりやすく説明したイラスト付きの資料を寄せてくれました。「『特別』であることが白い目で見られない世の中になってほしいなあ、と思うし、私も頑張りたいなあと思います」と話していました。

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