世界最高額の約20億円で落札「ライカ」生みの親の愛機 家族との日常写した希少な試作品

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 世界最大の写真関連用品専門オークション「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」が6月11日、ドイツ・ウェッツラーで開催され、世界で初めて市販された35mmカメラ「ライカ」の試作品が1440万ユーロ(約20億円、手数料込み)で落札されました。カメラの落札価格としては世界最高額。

開発者の所有品、個人名の刻印入り

 今回落札されたカメラは1923〜24年にかけて製造された試作品「ライカ0型」23台のうちの1台「Leica 0-Series No.105」。

 特筆すべきは、ライカの生みの親、オスカー・バルナックが個人所有していたカメラだということです。ファインダー部分にはOSKAR BARNACKの刻印がされており、家族との日常生活を記録に残しながらカメラの改良に活かし、製品の完成度を高めていったといわれています。

 これまでのカメラの落札最高額は、2018年に落札された同じライカ0型でシリアルナンバーが異なる「Leica 0-Series No.122」の240万ユーロ(手数料込み)。今回はバルナックゆかりのカメラということもあり、オークションの予想落札価格は200万~300万ユーロと噂され、世界中から大きな注目を集めていました。

 ライカの子会社、ライカカメラ・クラシックス社の社長、アレクサンダー・セドラクさんは「オスカー・バルナックが個人的に所有していたカメラであり、1920年代半ばに製造されて現在の写真撮影のスタイルの礎を築いたカメラのプロトタイプを今回のオークションで取り扱うことができたのは、非常に喜ばしいこと」と語っています。

 ライツ・フォトグラフィカ・オークションでは、今回の1440万ユーロという記録的な価格について「目には見えないその歴史的価値はその価格をはるかに上回ります。今回の世界記録更新はカメラ製品のオークションにおけるここ数年来のトレンドが現在も続いていることを物語っています。ヴィンテージカメラへの関心がこれまで以上に高まっていて、落札価格も上昇を続けているのです」としています。

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