世界的な高等教育評価機関である英国のクアクアレリ・シモンズ(QS:Quacquarelli Symond)が、2023年版の「世界大学ランキング」を発表しました。1位には「マサチューセッツ工科大学」が11年連続で選ばれました。また、日本の大学では100位以内に5大学が入り、最高は「東京大学」の23位でした。
2004年から毎年発表されているランキングで、今回は世界1418の大学を評価したといいます。「学術関係者からの評判」「雇用者からの評判」「教員1人あたりの論文被引用数」「学生一人当たりの教員比率」「外国人教員比率」「留学生比率」といった6種類の指標をもとに順位を決めるといいます。
ランキング1位は11年連続で「マサチューセッツ工科大学(米国)」でした。また、2位「ケンブリッジ大学(英国)」、3位「スタンフォード大学(米国)」、4位「オックスフォード大学(英国)」、5位「ハーバード大学(米国)」と続き、トップ5のうち3校はアメリカの大学、2校はイギリスの大学が占めたといいます。
また、アジア地区で見ると、11位の「シンガポール国立大学(シンガポール)」がトップとなり、12位「北京大学(中国)」、14位「清華大学(中国)」、19位「南洋理工大学(シンガポール)」、21位「香港大学(香港)」と続きました。
日本の大学では、23位に「東京大学」が入りました。昨年と同じ順位で、同機関は「指標の大半で優秀な成績を収めている」と評価していますが、指標ごとにみると「教員1人当たりの論文被引用数」が前年から順位を25位落とし、128位になっているといいます。
ランキングの100位以内に日本の大学は5大学が入り、36位「京都大学」、55位「東京工業大学」、68位「大阪大学」、79位「東北大学」という結果になりました。
ランク入りした日本の大学は全部で50校でしたが、前年と比較すると19校がランクダウンし、11校がランクアップしました。また「立命館アジア太平洋大学」と「関西学院大学」の2校が、初めてランク入りしたといいます。
また、アジアの国・地域の中で、日本は世界トップ200にランクインする大学が9校と最も多かったそうです。さらにトップ300では10校と2番目に多く、世界トップ500では15校と3番目に多い国・地域となっていたそうです。
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同機関のSenior Vice PresidentであるBen Sowter氏は日本の大学について、「QS 世界大学ランキングの中で日本の大学は苦戦を強いられていますが、我々のデータは、世界の学術関係者が日本の大学を依然として高く評価していることを示唆しています」と説明する一方で、「日本の大学ランキングの下落の主な原因は研究業績の低下であることを示しています。これは過去20年にわたる日本の知的資本への過小投資の結果と言えるでしょう」とも述べています。