手術になったのは「私のせい?」…自称「アレルギーに詳しい」友人からの“間違った衝撃メール”に傷つけられた

長岡 杏果 長岡 杏果

自分ではよかれと思って声をかけた結果、相手に不快な思いをさせてしまったり傷つけてしまった…という経験はありませんか。その内容が間違っていたり、とんでもない思い込みであればなおさら大変です。私の知人・ゆりこさん(30代・東北在住)も、ある「友人の言葉」で傷ついたことが忘れられないといいます。

長男が手術することに

ゆりこさんは高校生と中学生の2人の子どもを育てるシングルマザーです。子どもたちが就学前に離婚し、現在は3人で生活しています。

離婚当初は、未就学児の子どもに食べさせるだけでも精一杯だったそうです。毎日の生活でいっぱいいっぱいのゆりこさんでしたが、ある日保育園の検診で長男が要検査になってしまったそうです。

「後日、大きな病院で検査を受けたら、扁桃腺肥大によって手術を受けなくてはいけない状態だったの」とゆりこさんはいいます。

まだ就学前の子どもに手術を受けさせなければいけないことに、つらい気持ちになったそうです。

つらい気持ちに追い打ち

手術を受けさせるため、準備を進めていたゆりこさん。友人のAさんから予定を聞かれたとき、何気なく手術の話をしたそうです。すると、後日Aさんから長文でメールが届き、その内容にゆりこさんは大変驚いたといいます。

メールには「扁桃腺肥大は牛乳を飲ませたせいで起こったアレルギー反応だよ。ゆりこさんが息子を手術しなきゃいけないようにしてしまったんだから、アレルギーには気を付けないといけないんだよ」といった内容でした。

Aさんは日ごろから「アレルギーに対して知識がある」と語っており、自身の子どもたちにもアレルギー除去食を食べさせているといいます。初めて聞くような内容に、ゆりこさんは真偽を疑いながらも「きっと親切心で教えてくれたのだろうと思った」といいます。

しかし、息子の体にメスをいれることに、ただでさえ不安になっていたゆりこさんは、Aさんのメールに深く傷ついてしまったそうです。

間違った情報でもショック

実は、ゆりこさん自身も成人してから扁桃腺肥大の手術を経験しており、ゆりこさんの父や祖父も同様に手術を経験しているそうです。「手術のことを知っているからこそ、私のせいで息子につらい思いをさせてしまったのかもしれないと思うと…結構ショックが大きかったな」とゆりこさんはいいます。

ゆりこさんはAさんに「教えてくれてありがとう。でも、今そんなこといわれても私にはつらいだけだよ。息子が手術を受けることが不安な私の気持ちもわかってほしい。アレルギーについて知りたいことがあったらまた連絡するね」と返信したそうです。

しかしその後、牛乳によるアレルギーと扁桃腺肥大の関係性について調べてみると、Aさんの情報は「科学的根拠がないもの」だったそうで、ただただ不快な気持ちになったといいます。

手術は無事成功し、頻繁に起きていた風邪や熱などの症状が改善したそうです。

「のどの痛みや熱は代わってあげたいくらい見ててつらかった。今の健康な息子を見ていると手術が成功してよかったなと心底思う」とゆりこさんは話します。

その一方で、Aさんには後日、メールをもらったことでどんな気持ちになったのか、正直に話したそうです。すると、Aさんも謝罪をしてくれ、また「必要なときはいつでも聞いて」と言っていたそうです。

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