個人差はありますが、赤ちゃんの歯が生えるのはおおよそ生後6~8カ月頃からといわれています。「やっと歯が生えてきた!」と嬉しい変面、気になるのが「歯磨きはいつから始めたらいいのか」「生えそろってない小さな歯、どうやって磨いたらいいの」ということ。いざ実際にしようと思っても、大泣きで口を開けてくれなくて、途方に暮れることも…。先輩保護者のみなさんにうまく磨くためにしていた「工夫」を聞いてみました。
赤ちゃんの歯磨きはいつから始めた?
赤ちゃんの歯は、下の中央の歯(乳中切歯と呼ぶ)から生えてくることが多いようです。その後、上の中央の2本→その両隣りの歯(乳側切歯と呼ぶ)→下の乳側切歯の順に生えてきますが、この順番にも個人差はあります。
私たちの口の中にはさまざまな細菌がいて、その中に虫歯の原因になる菌がいます。この菌は生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはいませんが、歯が生えてきて糖分や離乳食を摂ることで、虫歯の原因になる菌が付着しやすくなります。よって、最初の歯が生え始めた時点で歯みがきの習慣をつける必要があるといわれています。
ママたちは、実際にいつごろから歯みがきを開始しているのでしょうか。
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▽生える前から、歯茎を拭いていた
歯科衛生士をしています。勤務先の歯科医に出産報告に行ったとき、「歯が生える前から、清潔なガーゼで歯茎を拭くといいよ。歯ブラシの慣れにもなるし、歯茎の清潔は丈夫な歯につながるから」というお祝いの言葉をもらいました。さすが歯科医(笑)。生後4カ月くらいから、ガーゼを濡らしてそれを指に巻いて歯茎を拭いていました。歯ブラシのスタートは7カ月くらいでしたが、嫌がらず受け入れてくれました。〔Uさん、子ども3歳〕
▽6~7カ月検診の歯科保健指導をきっかけにスタート
住んでいる自治体で任意の6~7カ月検診があり、児童館で知り合ったママたちがけっこう受けるようだったので、受けてみました。そのときの歯科保健指導で「すでに2本生えてきているから、歯みがきスタートしたほうがいいですね」と言われ、その日から始めました。
嫌!よりも、(歯ブラシに)なんだろう?という興味があったのか、比較的スムーズに磨かせてくれました(笑)、といっても、最初はちょちょっと「さわり磨き」程度ですが、始めた時期が早く、本人も「当たり前」という感覚だからか、歯みがきを嫌がったことは一度もありません。〔Yさん、子ども5歳〕
▽上の歯が4本生えてきたタイミングで
赤ちゃんはよだれがたくさん出るから、歯がある程度生えるまではよだれで十分と聞いたことがあるので、上の歯が4本生えたタイミングで歯みがきをスタートしました。
「え、遅くない?」「まだ早くない?」と、その当時ママたちと話していていろいろな意見が出たので、ちょっと焦りましたが…(苦笑)。上の子は小学校2年生で、学校の歯科検診で1回だけ「歯垢があります」といわれましたが、虫歯になったことはないですね。下の子はすでに2回虫歯治療経験ありです…。〔Hさん、子ども8歳・6歳〕
赤ちゃんの歯磨きは一苦労!
歯みがきを始めたものの「泣きっぱなしでなかなかできない」と苦労したり、「歯磨き後のうがいどうするの?」という疑問も。ママたちに、赤ちゃんの歯みがきにまつわる苦労や疑問を聞いてみました。
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▽口に入れるだけで「オエッ」となる
生後8カ月くらいのときに赤ちゃん用の歯ブラシを買って、初めて口の中に入れた瞬間「オエッ」とばかりに舌で押し出しました。そこから毎回押し出し、「口全体」で拒絶モード(苦笑)なんとか慣れてほしくて、握らせて自分で口に持って行かせたり、歯ブラシの先端に大好きなベビーヨーグルトを付けてみたり…でも、やっぱり本人にとって異物だったようで、すぐにオエッと出しちゃいましたね。これがトラウマ(?)になって歯みがき自体嫌いになったら困るので、ちょっとの間歯みがきはお休みしました。〔Oさん、子ども3歳〕
▽大泣きするわ、口をギュッと閉じるわ…
長男は離乳食を始めた8カ月(少し遅め…)のときに歯みがきを開始。でも毎回大泣き、歯ブラシを口に入れようとするとギュっと口を閉じるんです。1歳半くらいまでそんな感じで、仰向けに寝かせて、大人の股の間に顔を挟んで、泣いている隙に磨くなんてこともありました。その様子を主人がビデオに撮っていて、今見ると「恥ずかしいから、マジでやめてくんない?」と怒ります。〔Tさん、子ども12歳・9歳〕
▽歯磨き粉をちょっとだけつけているんだけど、うがいはいいの?
今10カ月の娘。子ども用歯みがきをちょっとだけつけると快く(?)磨かせてくれるのでありがたいのですが、うがいがまだできません。歯みがき後に濡れたガーゼで拭いたりしているのですが、そんなんでいいの? とちょっと不安というか、疑問に思っています。〔Fさん、子ども0歳〕
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…ちなみに、うがいができるようになるのは、1歳半~2歳くらいといわれています(もちろん個人差あり)。うがいができない赤ちゃんは、歯みがきの後、できれば唾液だけ吐き出させた後にお水や白湯を飲ませるのが理想的です。
歯みがきでどんな工夫をした?
歯みがきで苦労・苦戦する中、「こんなやり方で乗り切った」というママたちの対策や工夫を紹介します。
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▽しばらくガーゼで拭いていた
生後5カ月で歯が生えた息子。赤ちゃん用歯ブラシを何種類か試したのですが、嫌がるか、ただ噛んで仕上げをさせてくれないか、という感じだったので、ママ友から伝授(?)した方法を試してみました。ただガーゼをぬるま湯(冷たいとビックリしてしまうので)で濡らして、歯や歯茎を優しく拭く、という方法。嫌がらずやらせてくれましたね。離乳食を食べ終わったらその流れで歯を拭く、という感じでできるだけ決まった時間にやるようにしていました。下の子は歯が生えるのがもう少し遅かったですが、同じ方法でやっていました。〔Iさん、子ども7歳、5歳〕
▽噛み噛みおもちゃで「異物」に慣れさせる
娘は歯が生える前から、噛み噛みおもちゃが大好きだったので、割と抵抗なく歯ブラシを受け入れてくれました。ただ、「仕上げ」が嫌い…おっぱいをあげる要領で抱っこし、ゆっくりゆらゆら揺らしながら、だましだまし仕上げていました。1歳くらいまでそんな感じで、腕と腰がきつかった思い出が。〔Yさん、子ども3歳〕
▽ママの歌で気をそらす!
歯ブラシを見せると「ウッ」と泣きそうになるので、とにかく大声で歌を歌う、なんなら思いっきり変顔をしながら、とにかく子どもの気をそらす、笑わせる作戦で乗り切っていました。歌って変顔をしながら仕上げをするのは、けっこうしんどかった…(笑)。〔Sさん、子ども4歳〕
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「一生自分の歯で食べるために健康な歯と歯茎を作る」ことは、生まれた瞬間から始まっているといってもいいのかもしれません。歯みがきが楽しい!と思ってもらうことはなかなか難しいですが、少なくとも「必要なこと」と分かってもらい、嫌がらずできるようにしてあげたいものですね。