ファミリーレストラン「サイゼリヤ」(本社、埼玉県吉川市)のキッズメニューが60歳以上でも注文できると話題です。同社に聞くと、食が細くなった高齢者に喜ばれていることが分かりました。
通常サイズの半分の量
同社のキッズメニューは本来、提供年齢は小学生までですが、メニューの端に高齢者のイラスト入りで「60歳以上のお客様もキッズメニューの中からご注文いただけます」と案内があります。
同社によると、2020年3月にサービスを開始。「2019年7月に通常メニューの半分サイズの『おこさまミートソーススパゲッティ』と『おこさまたらこソーススパゲッティ』(各300円)の販売を開始しました。高齢者のお客様より『このサイズが量としてちょうどよく、おこさまメニューを注文できるようにならないか』というご意見が多かったため、このサービスを導入しました」(広報担当者)。
サービス開始後、利用者も増え「高齢者のお客様に多くご利用いただいています。スパゲッティ単品だけでなく、いろいろな商品と組み合わせて食事したいときにちょうどいいというご感想をいただいています」。
採算が気になるところですが、同社はもともと低価格で本格イタリアンが味わえるのが売り。通常のパスタメニュー「ペペロンチーノ」(300円)、「ミートソースボロニア風」(400円)などと比較しても、60歳以上の顧客がキッズメニューを頼んだとしても問題はなさそうです。
外食チェーン「少量メニュー」続々
他社にも導入例がありました。
外食チェーン「すかいらーくグループ」はサイト内よくある質問の中で「ガストでは、60歳以上のお客様にキッズプレートをキッズ価格にてご提供しております」と回答しています。バーミヤンでも「キッズラーメンセット・キッズメンメン・低アレルゲンキッズカレーは60歳以上のお客様にも、キッズ価格でご注文を承っております」。
年齢を問わず、小さなサイズのメニューを提供する外食チェーンも増えています。
「餃子の王将」では人気メニューが少量ずつ味わえる「ジャストサイズメニュー」を展開。例えば、餃子は通常1人前6個が、同メニューでは3個入り。酢豚やニラレバ炒め、天津飯なども小皿サイズで提供します。
ハンバーグメニューが人気の「びっくりドンキー」は2020年4月から、小サイズの皿に少なめのご飯とハンバーグ、サラダを盛り付けた「いろどりセット」をメニューに加えました。「ほどよいボリュームでいろいろ食べたいあなたに」とアピールしています。