学ラン・セーラー服・ブレザーなど、ほとんどの人が学生時代に着用した経験のある学校制服。そんな学校制服の必要性について、全国の中学校・高校の教員1400人に聞いたところ、中学校、高校ともに約8割が「学校制服は必要」と回答したそうです。
菅公学生服株式会社が2021年6月に実施した調査で、2022年4月に結果が公表されました。
はじめに、「学校制服はあったほうが良いと思われますか」と聞いたところ、中学校は「あったほうがよい」(40.1%)と「どちらかと言えば、あったほうがよい」(43.6%)を合わせると、83.7%が「学校制服は必要」と回答しました。また、高校においても「あったほうがよい」(40.6%)と「どちらかと言えば、あったほうがよい」(39.7%)をあわせると、80.3%が「学校制服は必要」と回答したそうです。
続いて、「学校制服の良い点はどのようなことだと思いますか」と聞いたところ、「毎日の服装に悩まなくていい」(中学校70.9%・高校69.6%)が最も多くなりました。次いで、「経済的である(私服を沢山買わなくていい)」(中学校55.7%・高校50.4%)、「服装による個人差がでなくていい(平等である)」(中学校50.3%・高校42.3%)といった経済性や平等性があげられ、「学生らしく見える」(中学校40.0%・高校42.3%)、「公私のけじめがつく」(中学校35.3%・高校29.4%)などが上位に並んだそうです。
「学校制服に必要だと思うこと」については、中学校と高校で大きな違いは見られないものの、中学校では「動きやすさ」(59.9%)、高校では「丈夫さ・耐久性」(60.0%)がトップでした。次いで、「家庭で洗濯できる」(中学校53.0%・高校44.0%)、「着心地・肌触りの良さ」(中学校46.9%・高校47.9%)、「汚れにくい・汚れが目立たない」(中学校37.4%・高校35.0%)、「暑さ寒さに対応して快適である」(中学校38.3%・高校29.3%)など必要とされることは多岐に渡ったといいます。
また、性の多様性への配慮として、「性別に関わらず着たい制服が選べる」(中学校25.1%・高校21.3%)、「男女が同じスタイル(ジェンダーレス制服)である」(中学校14.1%・高校8.9%)という回答もみられたそうです。
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調査を行った同社は「学校教育においては、共生社会の形成に向けた『インクルーシブ教育』が取り組まれています。インクルーシブ教育とは、すべての子どもの多様性を尊重し、経済的な格差、性別、障がい、アレルギー、人種、宗教などの個々の違いを包含し、誰一人取り残さない学校教育・環境を目指すことです。この観点からも、インクルーシブユニフォームとしての学校制服の価値が再認識されています」と説明しています。
【出典】
▽菅公学生服株式会社「カンコーホームルーム」Vol.195「学校が考える“学校制服の必要性”」
https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/homeroom/vol195