「寝室に戻って、食事後にくつろぐブチハイエナの「エナ」。壁にもたれかかって座ってる偶然の1枚…ではなく、夕方は基本的に毎日このスタイルでくつろいでいます」と、壁にダラリともたれかかるハイエナ写真とともに、投稿したのは「高知県立のいち動物公園」。担当者に話を聞きました。
Twitterでは「中の人、出てきて〜!(笑)」「おやじ感ハンパない」「ライオンキングの控え室かと思いました」「燃え尽きたぜ…真っ白にな…」「あしたのジョーみたい」など楽しむコメントや、「他人のような気がしない…」「日々クタクタなのは「社会人」も「ハイエナ」も同じなんやなぁ」と共感する声が続出しました。
ブチハイエナのメス・エナは2010年にタンザニアからオス・ブッチーと来園し、2年後に長男・トーフを出産。ハイエナはメスを中心に群れを作るため、エナも冷静な強き母だそうですが、この状況を担当者に聞いてみると…。
――この姿を見た時のご感想は? 何を考えていそうですか?
いくつかのコメントにあるように、私もちばてつや先生の漫画を思いましたが、来園者がいる日も休園日もほぼ毎日見られるので、疲れて燃え尽きていると言うよりは、まったりとまどろんでいると言う方が近い印象です。日中はブッチーと一緒なので、寝室に戻って1頭での食後のリラックスタイムだと思っています。
――いつ頃からこのような姿勢をするのでしょうか?
トーフを出産する直前に乳汁が出始めた頃からです。最初は初めてのことで違和感があったようでこの姿勢で座って乳房付近を触っていましたが、それ以降、授乳が終わってからもこの姿勢で座っています。屋内の展示場に出ている時には、基本的にはこの姿勢はしていないですね。
――出産直前からなんですね。他のハイエナもこのような姿になりますか?
当園で飼育している個体では、この姿勢で長時間休息するのはエナだけですが、腰を下ろして座るような姿勢は他の個体でも見られますよ。
――他にも、エナの印象的なエピソードはありますか?
基本的には、餌を食べる時も展示場に出入りする時も担当者と関わる時もブチハイエナのメスらしく、常に凜々しい様子で日中はあまり隙が無いように思えます。過去に帝王切開で出産しており、お腹の傷が痛むなかで子育てをしたり、一時人工哺育になっていた子どもを受け入れ、世話をすると言った愛情深い一面もあります。
――今回の投稿に多数のコメントが寄せられています。
ブチハイエナの生態を表しているとか学術的に価値があると言った投稿ではなく、ただただエナの日常の様子ですが、これを機にハイエナに興味を持ってくれる方が少しでも増えたら嬉しいです。
――最後に、ブチハイエナを見学される方に一言お願いします!
社会性が高く、感情を全身でわかりやすく表現する動物です。個体の関わり合いの様子や楽しい・怖い・興味津々といったブチハイエナの感情を想像しながら観察してもらえるとおもしろいです。
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緑に囲まれた公園のなかで約110種・1500頭の動物たちが暮らす同園。ブチハイエナは「アフリカ・オーストラリアゾーン」で見られ、ハイエナロッジにあるドームから頭を出し、間近で観察できることも。近くで見ると意外に(?)かわいらしい顔をしているそうですよ。
「高知県立のいち動物公園」
住所:高知県香南市野市町大谷738
公式サイト:https://noichizoo.or.jp/
Twitter:https://twitter.com/noichizoo_staff