庭の物置の下に3日間、動けずにいた子猫を保護「この子が我が家を選んでくれた」今では、すぐお膝に乗る甘えん坊に

渡辺 陽 渡辺 陽

物置の下にいた子猫たち

あずきちゃん(4歳・メス)は、2018年10月、千葉県に住む加藤さん宅の庭の物置の下にいた。加藤さんが子猫の鳴き声に気づき、物置の下をのぞき込むと、そこには2匹の子猫がいたという。

なんとか保護しようとしたが、警戒して出てこない。1匹はいなくなってしまった。3日目、加藤さんの次男がゴミを挟む道具を使って子猫を保護したが、衰弱して動くことができなかったようだった。加藤さんは動物病院に連れて行き、ノミダニの駆除と初期治療をしてもらった。まだ生後1ヶ月くらいだった。

「里親を探すことも考えましたが、あずきは3日間動かずにいたから保護できました。私は、『この子が我が家を選んでくれたのだ』と感じるようになり、手放さずに家族にすることにしました。動けなかったあずきともう1匹の子猫の明暗を分けた出来事でした」

手探りでの育児、とにかく無事に育って

加藤さんは夫婦共働き。家を留守にする時間が長いため、生まれて間もない子猫を育てるのは不安だった。
「初めての猫で、乳飲み児。手探りでの育児だったので、とにかく無事に大きくなって欲しい一心でした」

あずきちゃんは無事に育ち、加藤さんの膝の上に乗るのが大好きな子になった。なんの主張もせずに、すっと乗って来るのがとにかく可愛いのだという。

外猫も幸せになってほしい

あずきちゃんを飼い始めて、加藤さんは外猫に関心を持つようになった。
「この子が外で生きていたらどんな危険が待っていたのか...カラス、交通事故、猫同士の縄張り争い、暑さ寒さ、飢え。そんな過酷な環境で過ごさなければならない猫を増やさないためにも、TNRなどの活動が大切だと思うようになりました。保護活動をしている人への感謝や応援の気持ちも芽生えました」

加藤さんは、今、保護猫の譲渡をしている猫カフェを利用したり、寄付やクラウドファンディング等で応援しているという。

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