制服届いてない問題「ムサシノ学生服」社長が謝罪 90分会見後にふらつく「1週間くらい寝ていない」

杉田 康人 杉田 康人

 学生服販売の「ムサシノ学生服」が受注した都内中学、高校の新入生の制服が届いていない問題で、運営会社・ムサシノ商店の田中秀篤社長(49)が7日、武蔵野市の同社で会見し「本当に、制服を着て生活をする一日目に台無しにしてしまったことを大変申し訳ないと思っています。絶対にやってはいけないこと」と謝罪した。

 約90分にも及んだ謝罪会見を終えると、田中社長は何度かふらついた。「1週間くらい寝ていないし、仮眠もしてないし、食べてないし、座っていない。やっちゃいけないことをやっていますけど、社員はめちゃくちゃ働いてますよ。泣きながらやってます」と釈明。未発送の制服を、一刻も早く納品するため全力を挙げているとした。

 都内の多くの中学、高校は7日に入学式が行われた。田中社長の説明によると、受注数で日本最大というムサシノ学生服は約3万人の制服を受注。少なくとも100人分の制服が入学式までに発送できなかったという。「100件くらいだと思っている。もう少し上かもしれない。納期が間に合っていないのはたくさんある。全体は把握できていない」と話した。

 3月中旬になって、あるメーカーからコロナ禍などを理由に「納期に間に合わない」との連絡が届いたという。「納期が例年に比べて3日遅かったことが致命的だった。難しいことをタイトにやる業界。たった3カ月で注文から発注、入荷、出荷までやる業界。小さなことの積み重ねで、少しでもズレれば大変になる。悪いのは私なんですが…」と、学生服業界独特の慣習への〝恨み節〟も漏れる。私学の無償化などで、受注数の予測が外れたことも原因のひとつだとした。

 学校や生徒に直接謝罪したいとし、この日会見を開いた理由として「どこから謝りに行けばいいかわからないが、謝りたい。(報道陣の)みなさんの力を借りたい」とし、大勢並んだテレビカメラの前で頭を下げた。

 田中社長は「言い訳になってしまうけど、学生生活は3年…6年ある。周りは変な目で見ることなく、いじめることもなく、みんな仲間で一緒に育ってもらいたい。そういうものが学生服だと思っている」とし、晴れの門出に真新しい学生服が着られなかった新入生の心情を思いやった。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース