緑色に変色したジャガイモの危険性がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのはSAYA.super7(@htn_saya)の「ジャガイモでチップス作ろうと思って剥いてたらまるでキウイのような色してた 母親は食べれるというけどなんか危険な香りがしていちおネットで調べたら『食べるな』って書いてあった 「最悪死ぬ」って書いてあった」という投稿。
農家や飲食店関係者の間では緑色になったジャガイモが人体に有害なことはよく知られているが、それは一般まで周知されているとは言い難いようだ。SAYAさんがもし母の勧めるままにジャガイモを食べてしまっていたら……。
恐ろしい注意喚起がこめられたこの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「小学校の花壇で栽培したじゃがいもが土から露出して一部こうなっていて、先生に苦言を呈すると授業のタイミングでいもほりが出来てなくて、子供が掘ったりして出てきちゃうんです〜と、呑気でした…結局学校の栄養士判断でかなり捨てたみたいです。危険ってもっと知ってほしい。」
「無理矢理シチューにしたらエグくて食べられなかったし、4時間くらい下痢しました。毒シチュー事件として家族に語り継がれています。」
「緑化(りょくか)と言って日に当たるとそうなります。緑化が起きると毒素が強くなるので食べない事をオススメします。ジャガイモの保管は、湿気が少ない暗所に保管すると良いです。By元農業校OB」
など数々のコメントが寄せられている。SAYAさんにお話をうかがってみた。
ーーこのジャガイモの色をご覧になった際のご感想をお聞かせください。
SAYA:今までうっすら緑色のジャガイモはよく見かけましたし食べたりもしましたが、これはさすがに危険かなと感じました。
ーーこれまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
SAYA:ここまで反響があるとは驚きです。私と同じように、緑化についてそこまで気にしていなかった人が意外と多いのかもしれませんね。
◇ ◇
SAYAさんはこのジャガイモを日があたる玄関横のダンボール箱に入れて保管していたそうだ。変色したジャガイモの危険性について、神戸市健康局食品衛生課にお話をきいた。
ーー変色したじゃがいもの危険性についてお聞かせください。
食品衛生課:黄緑~緑色になったイモの表面の部分、芽が出てきたイモの芽及び付け根部分には、毒素が含まれており、それは、「糖」と「アルカロイド」と呼ばれる物質がつながってできた、グリコアルカロイドという物質です。ジャガイモに含まれるグリコアルカロイドは、主にソラニンやチャコニンと呼ばれる物質です。毒素を多く含むじゃがいもを食べたことで、吐き気やおう吐、下痢、腹痛等の消化器症状、頭痛、めまいなどが起きたとの報告があります。また、おう吐や下痢によって脱水が起きた結果、無気力や錯乱、衰弱などの神経症状が起こる可能性もあり、少数ですが昏睡や死亡に至った例もあります。
ーーSNS上では変色したジャガイモの危険性について知らなかったという声も見られました。近年でも事故は起こっているのですね。
食品衛生課:厚生労働省の食中毒統計をもとに農林水産省で集計した資料によると、2016年と2017年は各2件、2018年と2019年は各1件発生しています。2020年は0件でした。
ーージャガイモが緑色に変色する要因をお聞かせください。時期なども影響するのでしょうか?
食品衛生課:ジャガイモに長時間にわたって光が当たったり傷が付いたりすると毒素が増えること、この毒素は芽や皮の部分で増えやすいことが知られています。ジャガイモは、光が当たると葉緑素(クロロフィル)が増えて緑色になるため、表面が緑色になったジャガイモには毒素が多く含まれると考えられます。なお、ジャガイモ中の天然毒素による食中毒については、農林水産省のホームページに詳しい情報が掲載されていますので、ご参照ください。
【参考】ジャガイモによる食中毒を予防するために(農林水産省)
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これから新ジャガイモが美味しい季節。ジャガイモを調理する機会も増えると思うが、今回紹介したように緑色に変色したものは絶対に口に入れないようご用心いただきたい。
SAYA.super7さん関連情報
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