60年以上、神戸のゴルフ場で出されたカレーがうますぎて驚愕……レトルト販売が始まったので食べてみた

松田 義人 松田 義人

 

兵庫県の神戸市と三田市のちょうど境に位置する「有馬カンツリー倶楽部」というゴルフ場があります。広大な敷地と年間通して緑の上でゴルフを楽しめることで古くから人気のゴルフ場ですが、併設のレストランで出される食事のレベルが高いことでもよく知られています。

 

 

この「有馬カンツリー倶楽部」のレストランで出される料理のうち、特にカレーが人気で、歴代のシェフがそのレシピを受け継ぎ、味を守ってきたものなのだそうです。

今回「有馬カンツリー倶楽部」の経営者が、実家を離れて遠くで暮らし、会うたびに痩せていく子どもに対し、ゴルフ場で出していたカレーを送ってやれないかと思案。また、「この絶品カレーを、遠くの人にも食べさせてあげたい」といった声もあり、この2つの理由から今回パッケージ化を実現。

その名も「牛肉ゴロっとカレー」で、気になる価格はグレイビーボード(カレーの器)も付いた5個セット8千円(税・送料込)。なかなかの良いお値段ですが、実際に食べて納得。一般的なお店で食べるカレー以上の味を楽しめるものなのでした。

複雑に絡み合う酸味・辛味・甘味……パウチ式カレーでは群を抜いて一番の味!

 

通販で注文してから数日後に届いた「牛肉ゴロっとカレー」グレイビーボード(カレーの器)も付いた5個セット。パッケージは贅沢な金・箔押しのプリントである一方、品の良いグラフィックで、自ずとテンションが上がります。

温め方は通常のパウチカレーと同様で、湯煎するか電子レンジでチンするかの2通り。筆者は湯煎していただくことにしました。

温めたカレーを、グレイビーボード(カレーの器)によそい、ちょっとした贅沢気分を感じつつ、さっそくいただいてみることにしました。

 

 

 

まず、カレーソースの表面が一般的なパウチカレーと違い、全体的には濃い茶色である一方、繊細に照りを放っており、香りもまた複雑。手間暇をかけて作られていることが素人の筆者にもよくわかりました。

その名にもある「ゴロッとした牛肉」からいただきましたが、丁寧に煮込まれているのでしょう、実に柔らかく食べた瞬間、その旨味が口の中に広がる印象を覚えました。同時に、カレーソース全体の酸味・辛味・甘味がこれまた複雑に絡み合い、独特のコクを生み出しています。これはうまい! パウチ化されたカレーの中では、筆者がこれまでに食べたものの中で一番美味しいカレーだと思いました。

冒頭で触れた価格もこれならおおいに納得で、このハイレベルの味をいただけるのであれば、むしろ安いようにも感じるほどでした。

歴代6人のシェフたちが半世紀以上にわたり守り抜いた味を商品化

この「牛肉ゴロっとカレー」、「有馬カンツリー倶楽部」のレストランの歴代6人のシェフが半世紀以上にわたり受け継ぎ、守り抜いた「特製ビーフカレー」をパウチ化したものとのこと。今回のパウチ化への思い、背景について「有馬カンツリー倶楽部」代表取締役の谷光高さんに聞きました。

「『有馬カンツリー倶楽部』には歴代6人のシェフたちが半世紀以上にわたって受け継ぎ守ってきたレシピによる『特製ビーフカレー』がありました。これをパウチ化することで、これまでゴルフと接点のなかった方にも、ゴルフ場でしか食べられない味を届けたいと思うようになりました。

パウチ化の実施に際しては、レストラン長の花森という者が総指揮を取りました。花森は『先代からレシピは受け継ぎましたが、レシピだけでは味はつくれません。特にクラシックな王道カレーは王道ゆえに小手先のごまかしがきかない。味の違いはとても繊細で、伝統の味を出すためには食材の微妙なバランスをその日のお肉や野菜の状態に合わせて変えていく必要があるんです。先代シェフを引き継いだ時、昔からのお客さまに納得していただくのは簡単ではなかった』と語っています。

確かに料理長が花森に代わったばかりのころは、会員の方から『味が変わった』『美味しくなくなった』という声もありました。このことから花森自身も、大変苦労したのではないかと思います。

しかし、やがて『特製ビーフカレー』は再びご支持をいただくようになり、今回のパウチ化にも至りました。

まず、『特製ビーフカレー』のファンのゴルフ場のお客さまに対しても恥ずかしくない味にすることはマストと考えており、そうした高いハードルを超えるために費やした時間は約10ヶ月となりました。何度も作り直すことを繰り返しようやく完成しました。

ゴロッとした肉感を味わっていただくために、レストランよりも少しだけ固めの牛肉を使うことでクリア。合格レベルまでもっていきました。国産黒毛和牛を贅沢に使い、ゴロッとした牛肉が入ったカレーが完成しました。

その国産黒毛和牛肉と野菜の旨味がぎゅっと凝縮された欧風のソース。どこか懐かしい甘い口触り。食べ進めるうちに、口の中に広がっていくスパイスの香りと鼻に抜ける酸味がクセになると思います。

遠くに住む家族や知り合いの人たちに、お便りとともにたくさんカレーを食べて元気で過ごしてねと送ってもらえたら、とてもうれしく思います」(『有馬カンツリー倶楽部』代表取締役・谷光高さん)

 

冒頭でも触れた通り、遠くで暮らす家族や知り合いに送るのもヨシ、自分へのご褒美に食べるのもヨシの「牛肉ゴロっとカレー」。本当に美味しいので、是非一度食べてみてください。衝撃の味に出会えることウケアイですよ!

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