娘さんが猫と暮らしたいという思いから譲渡会に参加した神戸・三宮のかき氷店「氷食卓家」の尾方章彦さん。1匹だけのつもりだったそうですが、独身時代に猫と暮らしていたこともあり、人見知りだった女の子のマカちゃんを迎えて、改めて猫の魅力に開眼。
気づけば、保護猫の情報を見続け、もう1匹お迎えしたことから、4匹と暮らすことに。最近では、保護猫のためにお店でイベントなども企画する尾方さんに、猫さんとの暮らしなどを聞きました。
――4匹の猫さんと暮らしているとのことで、どんな出会いだったのですか?
娘が猫と暮らしたがり、6年前にフェイスブックでみつけた明石の譲渡会へ行きました。そこで2~3カ月ぐらいのキジシロの女の子・マカに出会い、多少の人見知りはありましたが、まだ子猫だったのでうちの家族には徐々に慣れてくれましたね。
――最初はマカちゃんが家族になったのですね。
その後も、譲渡会の情報を見続けていたら、とてもキレイな顔立ちをした子に一目惚れして。マカと暮らし始めたばかりだったのであきらめたんですが、譲渡会で里親がみつからなかったのを見かけて「この子と暮らしたい!」と家族に相談しました。
――2匹目の猫さんはどんな子ですか?
殺処分されないように保護施設にいた2カ月ぐらいのキジ猫の男の子で、最初は体中にノミがいる状態だったようです。この子はロンと名付け、とても人懐っこい子だったのでマカとともに暮らし始めました。ちなみに2匹の名前を合わせると娘の好きな「マカロン」になります。そして、1年後にマカとロンの子どもたちが生まれました。
――4匹家族なんですね!出産には立ち会ったのですか?
はい、猫の出産は初めてでとても大変でした。最初は1匹目の赤ちゃんの片足だけ出てきたのですが、そこから進まなくなってしまい、慌てて病院へ。まだ産道がきちんと作られていないところに大きめの赤ちゃんがいたせいか、最初の子は死産になってしまって…。
――残りの子が生まれるまでも大変でしたか?
帝王切開の手術をするか迷ったのですが、家で自然な形で見守ることにして。その後、4~5時間ぐらいかかってやっと子猫が2匹生まれました。娘も一緒にいて「出てきた!出てきた!」と、無事生まれてくれてほっとしましたね。2匹とも男の子で「ダイ」と「フク」(2匹で「大福」)と名付けました。
――4匹の猫さんと暮らしてみていかがですか?
「子どもや動物は3人(匹)までは大変だけど、それを超えると返って大変じゃなくなる」と聞いたことがあるのですが、本当にそうだなと(笑)。お互いに遊んだり喧嘩しているので、仕事の間も1匹より寂しくなくて助かっています。
人懐っこいロンとはよく一緒に寝て、顔をペロペロなめてきてかわいいなと。人見知りのダイはお母さんのマカとよく一緒にいて、フクは自由に1匹で寝ていたり。猫の家族もそれぞれの違いがあって、おもしろいなと思います。
常連さんとのご縁で、猫のために何かできたら
――お店で2月22日に「猫の日」イベントをおこなったそうですが、反響は?
この日の売り上げは保護猫たちのために全額寄付ということで、常連さんを中心にたくさんの方が興味を持ってくれました。終日満席になり、有り難かったです。
――この企画を実施されたきっかけは?
常連さんにネコカフェを営んだり、個人で地域猫のお世話や保護猫活動をされている方がいます。うちの猫も元保護猫なのでご縁を感じ、何かできたらという思いがありました。でも個人的な寄付ってされる側もする側もお互い気を遣ってしまいますよね。今年は「スーパー猫の日」と盛り上がっていたので、うちのかき氷を通じて形にできたらと。
――どんなかき氷が登場したのですか?
猫型の氷という提案もいただきましたが、限定メニューで、猫まんま風なカツオ節が乗った氷を作ってみました。夏の営業時の売り上げに近い寄付額になり、保護猫に関わる「ネコカフェ ねこの屋おでん」さんと個人で活動されているみちさんにお渡ししたら「こんなに!」と喜んでくれてよかったです!
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「今後もお店での縁を大切に、何かイベントを企画していけたら」と話していた尾方さん。4匹の猫さんファミリーの成長も楽しみです。
「氷食卓家」公式Instagram https://www.instagram.com/kori.shokutakuya/