新年度を迎える4月。お子さんのいる親御さんは子どもの成長具合に感動。それもつかの間、待っているのは進学・進級に伴う提出書類たち。名前と住所何回書けばいいの、やばい、1番面倒なのあった。「学校から自宅までの略図」。
その地図をツイッターに投稿したのが、あんなあんなっ(@hentai_an4)さん。ドドン、と広がる公園、佇む鉄塔以外、目印や道路などはないダイナミックな地図で、実の妹さんから「先生来させる気ないやん」と指摘されたといいます。でも、「学校から自宅までの地図」って確かに面倒。簡略化してしまうのも「あるある」ではないでしょうか。
地図を描いたときのことをあんなさんに伺ったほか、地図アプリを印刷して貼り付けちゃダメ?簡略化してもいい?という疑問を現役小学校教員のエイさん(@zikatu1)にも取材しました。
「スマホのマップなどで来れるだろう!」と
ーー大胆かつ斬新な地図です。実際に提出されましたか。
「はい、提出しました」
ーーお子さんは何年生でしょうか。
「小学3年生です」
ーーこの地図を出した際、先生から何か連絡はありましたか?
「いいえ。連絡は無かったですが、娘に先生が『めっちゃ簡単やな』と笑って面白かったとの事でした」
ーー「先生来させる気ないやん」というのはどなたから言われたんでしょうか。
「同じ学年の息子を持つ実の妹から言われました」
ーーそもそも簡略化しようと思ったのはなぜですか?
「別書類などに住所や電話番号も書いてるので、『スマホのGoogleマップなどで来れるだろう』と思い簡易的に書きました。あと、毎年書いてるやんって気持ちもあったので」
男女150名に調査したデータ「子どもの新学期で大変だと思うこと」では「配布物の管理」は3位となり「自宅周辺地図の作成が特に面倒」「家までの地図を枠内につけるのが苦手」とこの書類に関する声があがっています(調査:さぶろぐ)。みんなこの書類、苦手なんだな。先生側はどう思っているんでしょうか。現役小学校教員のエイさん、教えてください。
それは考えてなかった「ガラケー」の先生もいる
ーーこの書類はなぜ必要なんでしょうか。
「家庭調査書というファイルに挟み、家庭訪問の時に参考にします。また緊急時(自然災害など)に子どもを送り届ける時にも閲覧する資料になります。うちの学校では、1年生の入学時に書いてもらうので、入学説明会の時に配布しています」
ーー問い合わせやご意見は届きますか?
「問い合わせがあったことはありませんが、白紙で出された方もいました」
ーー白紙とは、先生からすると困るのでは?
「昔はこの地図を参考に、地図帳と照らし合わせて確認してました。家庭訪問の前日には、道に迷わないよう事前に下見もしていたので、丁寧に書いてない家は苦労しました。
ただ、今の時代はこれ(地図を書いた書類)を見ず、Googleマップで検索してます。ルートもGoogleマップでピン留めして、ルート検索してくれるので前日確認も不要になりました。多分ほとんどの教員の方がそうしてるので、ぼくは『ググってください』でOKです。ただし教員は意外とガラケーの方も多く、詳しく書いてほしいという声もあります。この辺りが難しいですね」
ーーでは、ネットで地図を印刷して貼るのはOKですか?
「印刷して貼るのでももちろんOKですよ。Yahoo!地図は白黒印刷ができるので、本校では案内の時に紹介してます」
ーー世間の親御さんはこの地図をどう書いているんでしょうか。
「すごく手の込んだ地図の方もいますが、最近は印刷の方が多いですね。あとは目印になる建物とか、曲がり角から何軒目とか何色の家とか書いてる方も多いです。個人的には、地図印刷して貼る時にも、屋根の色や家の壁の色を注釈で書き込んでもらえるとすごく助かります」
ーー先生側から見て、入学・新学期の準備について思うことはありますか。
「入学時の書類は大変だと思います。役所のデータともっと連携できたり、学校もデジタル化がもっと進めばいいなと思います。あとは、名前シールですかね。特に算数セット。1、2年生しか使わないので学校備品でいいと思ってますが、個人持ちで購入される学校も多いようです」
◇ ◇
30人以上の生徒の書類を先生1人で裁くと考えると、手書きのときはなるべく詳しく、家の外観の特徴なんかも入れておくべきか、と考えを改めるきっかけとなりました。ガラケーの先生への配慮、手書きする手間を考えると、ネットから地図をプリントアウトして貼るのが一番効率的かもしれませんね。
余談ですが、Yahoo!地図は「標準」モードだとモノクロでプリントアウトした際に明度差が出ず見づらくなる場合があります。「地図の種類を変更」から「モノトーン」に変えると白黒印刷に向きます。「ルート」機能を使えば自宅から学校までの経路も表示できますよ。