コロナの影響もあってストレスを抱える人が少なくありません。そんな中、増えていると言われるのが「NUD(Non-Ulcer Dyspepsia/機能性胃腸障害)」です。別名「FD(Functional Dyspepsia/(機能性胃腸症)」ともいわれています。ちなみに、NUDのノン・アルサーは「潰瘍がない」、ディスペプシアは「消化不良」の意味です。
胃もたれや胃痛、胸やけ、食欲不振、吐き気、嘔吐など症状があるにもかかわらず、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病変がなく、検査を受けても異常なしというケースがほとんど。このような上腹部不定愁訴の原因・要因として、消化管運動機能障害が注目され「不定愁訴(明確ではない不調のこと)」を総称して、NUDという病名で診断されることがあります。
原因として考えられるのは、不規則な食生活や食べ過ぎ、ストレスなどです。薬の副作用で起こることもあります。
消化器系の中でも胃はストレスに弱い臓器といわれています。心配事があったり、緊張したりすると「胃が痛くなる」という声はよく聞かれます。
胃の働きは自律神経によってコントロールされていて、活動時や緊張時には交感神経系が働き、リラックスした時は副交感神経系が働きます。
通常は交感神経系と副交感神経系のバランスがうまく保たれているのですが、ストレスなどを受けるとバランスを崩しやすくなります。その結果、胃の働きが乱れてしまうのです。
NUDと診断されれば、症状に応じて胃酸を抑える薬や胃の働きをよくする薬などでの治癒はもとより、食生活の改善に務めることも重要になってきます。脂こい食事や辛いものはできるだけ控え、不規則な食生活も改善する必要があります。
また、ストレスが原因の場合は、その緩和に務めることも大切です。