ツイッターにアップされた小屋のなかからひょっこり顔を出し、あくびをするムササビの動画。その姿はまるで人間のようで「ふぁ～、むにゃむにゃ」と聞こえてきそうなほどです。ツイートには「寝起き？それともこれから寝るのかな？」「ムササビってこんな可愛い顔してるのね」「なんてかわいいの！」と、5000いいねがつきそのかわいらしさの虜になる人が続出しました。
ツイッターに動画をアップしたのは、長野県にある茶臼山動物園（@chausuyamazoo）。ムササビはサムくんという名前だそうで、うるうるとした瞳が愛らしいです。サムくんについて、茶臼山動物園のムササビ飼育歴3年目の飼育員・中村太郎さんにお話を伺いました。
ーーサムくんがかわいすぎます…。まず、ムササビについて教えてください。
「ムササビは日本だけに住んでいる固有種です。哺乳類で、リス科のリス亜科に属します。リスの仲間に近いですね」
ーー確かに、どことなくリスっぽい見た目です。
「でも、体の大きさはウサギくらいあるんですよ。ムササビの特徴といえば、木から木へ飛び移る『滑空』をすることです。前足から後ろ足にかけて滑空に発達した飛膜という膜があって、それを広げて滑空します。あと、ムササビは夜行性なんです」
ーーだから動画でも日中にあくびをしていたんですね。
「はい。毎朝飼育スペースの掃除をしているのですが、サムは人に慣れているので巣箱から顔を出してくれるときがあります。あの動画は朝に撮ったもので、ふとカメラを回していたときにたまたま撮れたものでした。あくびをしたあとは巣箱に戻ってまた寝ていました」
ーーサムくんはよくあくびをするんでしょうか。ぜひ見たいのですが…。
「度々というほどではありませんが、あくびしているところは何度か見たことがあります。ただ夜行性なもので、日中は巣箱にこもって出てこないことが多いです（苦笑）。夕方頃に見に来ていただき、運が良ければ顔を出してる姿がご覧いただけるかもしれません。当園は16時半に閉園なんですが、お盆頃に期間限定で『サマーナイト Zoo』といって21時まで開園している期間もあるので、ご活用いただければと思います」
ーーありがとうございました！
◇ ◇
滑空のイメージが強いムササビですが、お顔がこんなにかわいらしいとは知りませんでした。ちなみに、似た動物としてモモンガがいますが中村さん曰く「別の動物で見た目も違い、モモンガは小柄、ムササビの方が体が大きいです」とのこと。
また、茶臼山動物園にはサムくんのほかにもう一頭、ドビーという女の子のムササビもいるそう。サムくんに比べちょっと人見知りな性格ですが、茶臼山動物園に訪れた際はぜひ2頭に会ってきてください。※茶臼山動物園の閉園時間は時期により異なります。
